【MyCITY限定記事】上位カテゴリーから10選手を獲得!補強の裏側(2024年2月)
2024年2月29日
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SHIBUYA CITY FC代表の小泉です。MyCITY会員限定のコンテンツとして、新加入選手獲得の裏側をお話しできればと思います。
2024シーズン、SHIBUYA CITY FCはなんとしてでも2年連続でトーナメント敗退となった屈辱を絶対に晴らし、関東2部リーグへの昇格を果たすため、Jリーグを含む上位カテゴリーから10名の選手を補強いたしました。
今年の選手補強の方針としては、上位カテゴリーでの活躍実績があり即戦力となる選手を補強すること、そして得点力不足に泣いた昨シーズンの反省を踏まえ前線でゴールに絡める選手の獲得に重点を置くこと。
選手の補強は僕と元Jリーガーで執行役員の田中裕介の役目です。様々なカテゴリーで契約満了になった選手を調べ尽くしネットワークを活かし面談させてもらいオファーをするケース、関わりのある選手に大学サッカー時代の後輩で卒業後活躍している選手を紹介してもらうケース、Jリーグの代理人に相談しクラブを探している選手を紹介いただくケースなど、補強にも様々なルートがあります。
東海リーグ1部 FC刈谷から伊藤雄教(ゆたか)、小沼樹輝(たつき)の2名は、23年から渋谷に在籍する山出旭選手、鈴木友也選手の関東学院大学時代の2個したの後輩でした。FC刈谷は2つ上のカテゴリーで上位に位置し、かつ全国社会人サッカー大会で優勝する実績のあるクラブです。昨年9月、10月ごろから2名とも渋谷に興味を持ってくれており、全国社会人サッカー大会の様子を配信で全試合スカウティングし、中心選手として素晴らしい活躍をしていたことから年末にオファーを出し獲得しました。
そのまた1つ上のJFL、ティアモ枚方からGKの木村壮宏(まさひろ)、渡邉尚樹、佐藤蒼太の3選手を獲得しました。木村選手は23年から在籍する水野智大選手の鹿屋体育大学サッカー部の先輩で、渋谷区生まれ渋谷区育ち。生まれ育ったこの街からJリーグ参入を目指すビジョンに力を貸してほしいとオファーを出し、加入が決まりました。渡邉選手は、亜細亜大学サッカー部時代に実は一度オファーを出していたですが上位カテゴリーであるティアモへの入団が決まり断られていた背景がありました。ティアモを満了になったタイミングで渡邉選手からぜひ獲得を検討してもらえないかと連絡をいただき、契約に至りました。なんともう1名ティアモに在籍していた俊足DF、佐藤選手も同じくして契約満了になった際に渋谷に興味を持ってもらい、何度も面談を繰り返した結果、その素晴らしい武器と人間性を評価し獲得に至りました。そして同じくJFLのブリオべッカ浦安で契約満了となった、192cmの高さを誇るGKの高島康四郎を共通の知人から紹介していただき、多数いたGK候補の中から選ばせていただき、加入することとなりました。
ここまでの6名は僕が担当した選手で、12月末までに契約合意してもらい、非常にスムーズな滑り出しとなりました。11月末にトーナメントでの敗退が決まって1ヶ月という短い期間だったのですが、事前の準備やアクションが功を奏し、東京都1部残留というネガティブな雰囲気を吹き飛ばしてくれました。
おそらく「残留したのに上位カテゴリーから良い補強をしている」と他のクラブからは見えていたことと思います。契約延長オファーを出した主力選手が皆このクラブでのリベンジを決めてくれたことも含め、僕らスタッフの間で24シーズンの期待値は非常に高まっていました。
しかし、そこから残り4枠と決めていた選手補強で圧倒的なバリューを発揮したのが田中裕介でした。
Jリーグの選手の移籍をサポートするエージェント会社との連携を元に、1月に入ってから多くのJクラブでの実績を持った選手が獲得の候補として挙がってきました。
彼がファジアーノ岡山時代に共にプレーした宮崎幾笑(きわら)、J2やJ3で多くの得点を重ねてきた大型ストライカー宮本拓弥、FC琉球で6年間もの間選手会長を務めた積田景介の3名の選手と、代理人や選手本人たちとの商談の結果、渋谷への加入を決断してくれました。エージェント会社は選手の移籍ごとに選手から支払われるフィーで売上を立てる事業モデルなので基本的には選手側に立って移籍の交渉をするのですが、移籍先が決まらなければ商売が成立しませんから、ある意味各クラブもパートナーとして相談に乗っていただけます。このエージェント会社とのリレーションはそう簡単に築けるものでないですし、他のチームではなく渋谷を選手に推薦してもらう必要がありますから、Jクラブを渡り歩き、広く深く交友関係を持つ田中のネットワークがフルに発揮されたわけです。
そして極め付けは横浜F・マリノス時代にチームメイトとして一時代を築いた同年代の渡邉千真選手の獲得です。J3松本山雅を契約満了になってから、丁寧に田中はコミュニケーションを続け、Jクラブからのオファーがあればまだ挑戦を続けたいという渡邉選手の意思を尊重しながらも、年が明け「ここだ」というタイミングで僕も含め3人で交渉の場がセッティングされました。
まだ現役でプレーを続けたいこと、引退後のキャリアについても田中の歩んできたこの数年の経験、アドバイスやノウハウを吸収できること、渋谷の街でサッカー選手としての新たな挑戦(近日中公開予定!)などを踏まえた上で、決断していただきました。
10名の新加入選手の多くがまだまだもっと上のカテゴリーで活躍できる実力を持った選手であることは間違いありません。ただクラブのビジョンや目標に賛同し、共に戦う覚悟を持って決断してくれました。約3ヶ月に渡る新加入選手獲得の補強劇の裏側には多くの方々のサポートや意思決定があったことをしっかりと肝に銘じ、素晴らしい選手たちに恥じないクラブになること、そして共に昇格の感動を多くの方にお届けできるよう、25名の登録選手、スタッフ一同、一致団結して戦って参ります。
ぜひとも、新しく加わった選手たちの活躍を特にお楽しみに、実際に試合観戦、YouTubeライブ配信にて声援を送っていただければ幸いです。
◼️小泉翔
SHIBUYA CITY FC 代表
大宮アルディージャU-18出身、立教大学在学時は関東社会人1部のクラブに所属。新卒で株式会社サイバーエージェントへ入社、株式会社TABIPPO独立を経て2021年にSHIBUYA CITY FC代表に就任。