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渋谷発のエンジニア集団とサッカークラブが取り組むテクノロジー×スポーツ最前線 Part2

2023年11月27日

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Article

“誰もがデータベースを扱える時代に” 新サービス「Morph」の可能性。


SHIBUYA CITY FCは、現在200社を超えるパートナー/スポンサーの皆さまに支えられながら活動しています。



本企画「SCRAMBLE TALK」では、どのような想いでパートナー各社がSHIBUYA CITY FC(以下、渋谷シティ)のチャレンジに参画したのか、実際にどんな取り組みを行なっているのかをお伝えしていきます。



今回は、クラブのオフィシャルトップパートナーである株式会社Queueから柴田 直人様(CEO)、三橋 啓多様(CCO)、大道元貴様(Software Developer)をお招きし、渋谷シティから畑間直英(取締役)、田口文也(デザイナー)を聞き手に対談を実施しました。



同社は、技術革新格差、イノベーションディバイドと呼ばれる技術革新によるソリューションの恩恵を受けられていない領域を解決していくことを目指し事業を行っています。



記事は前編と後編に分かれ、後編となるこちらではQueueが手がける新サービス「Morph」を中心に、SHIBUYA CITY FCとの今後の展望についても語っています。


■記事の前編はこちら




Queueが手がける新サービス「Morph」とは


ーー後編では、Queueの新サービス「Morph」(モルフ)を中心にお話を聞ければと思います。データベースのサービスということですが、始めようと思ったきっかけはどのようなものだったのでしょうか。


柴田

結果論のようにはなるのですが、あらゆる人が素晴らしい技術を享受できるようなデータベースを作る、というのがきっかけです。なぜ結果論かというと、一つ前のパートで三橋もが申し上げたとおり、元々開発者向けツールとして作っていたものをノンデベロッパー向けにしたという背景があるからです。


現在データベースの研究や開発をしてるエンジニアが非常に多いこともあり、データを高度に扱うツールは数多く出てきています。ただ、これを誰もが使うことができる技術はあまり開発されていません。なので、データベースを通じてエンジニアは様々なことができるけれど、それを他の人が使いこなせていないという状況になっています。


例えばGoogleとかFacebookのような大きな会社は、データをみんなが使えるようにインターフェースを個別に作っているんですが、そうではない会社はそのようなことをゼロから開発するリソースがありません。なので、そういった企業が抱える問題に対してアプローチできないか、という経緯ですね。


畑間

現状だと、ノンデベロッパーのユーザーがデータをまとめる際に使われているのがExcelやGoogleのスプレッドシートだと思うのですが、Morphはどのような点がそれらのサービスと違うのでしょうか?


柴田

現状、データを扱う際にはExcelが、さらによりデータベースの様なものを扱おうとするとMicrosoft Accessなどが使われているかと思います。

Morphではそれがウェブ上でリアルタイムにコラボレーションできることが大きな特徴です。

さらに、Microsoft Accessなどは一つのパソコン上で処理をするので動作が重くなることがありましたが、Morphはクラウドベースになるので、大量のデータでも処理ができたりデータベースをAPI連携を使ってMorph以外のサービスに接続したりすることができます。


畑間

ITの専門知識がない人にとっては、テーブル(データベースの種類ごとの単位。エクセルのシートのようなもの)といったデータベースの構造を理解するのがそもそも難しいと思うのですが、そういった人たちにはどのようにアプローチするのでしょうか。


柴田

いい質問ですね(笑)

世の中のデータベースをあらゆる人が使えるようにする技術はエンジニアが必死に取り組んできました。システム開発は、テーブル設計が一番肝で、そこにインターフェースをつけるという形になっています。つまり同じようなシステムを世の中で大量に作ってきたわけです。結論、社会全体で見ると重複投資が大量に起きているということになっています。


なのでおっしゃる通り何も知識のない人がデータベースをゼロから作るというのはかなり難しいので、まだMorphの機能ではないですが、長期的には知識の何もない人がデータベースを構築できる機能でシェアを獲得していく、というのも目指すべきところとしてはあるかなと思います。


今はデータベースを見るためのエンジニア向けツールがあって、ビジネス部門の方は部署ごとに専用にカスタマイズをされたツールを使ってデータベースを閲覧しています。つまりエンジニア以外の方にはどのようにデータが管理されているかが秘匿化されているのが現状です。それによって細かいテーブル設計などを知ることができないといった現象が起きてしまっています。

同じツールを使うとそういうノウハウもシェアされることになるので結果的にはそこにあらゆる人がアプローチできるようになるんじゃないかと、仮説としてですが持っています。


畑間

それをMorphが実現できるようになると。


三橋

Morphが今できることは、まずデータベースをゼロから作れること。

これを普通にやろうとすると、エンジニアがAWSを使って基盤を構築して、、、というところが、Morphではワンクリックでできます。そうするとエクセルを立ち上げるみたいに、データベースが立ち上げられて、そこからSQL(データベース上でデータやデータベースを制御するための言語)を打たなくてもデータを抽出したり書き込んだりなどできる。さらにMorphでは複数人でのコラボレーションも可能で、誰がログインして作業をしているかもわかります。


さらに「このデータをこういう感じでまとめて欲しい」とMorphに日本語で打ち込むとそれも集計してくれるので、複雑なデータの集計で複雑なSQLを書く必要がありません。データベースのアクセスと作成が誰でもできるというのがMorphの強みです。



ーーこのMorphという名前はどういう理由でつけられたんですか。


三橋

元々はバックエンドのサービスだったんですよね。なので、どんなフロントエンドでも対応できるという意味で、変容するとか変態するという意味を持つ、Morphからきています。今でも意味としては同じですね。



Morphの特徴


ーーなかなか専門的な話になってきたと思うのですが、具体的にMorphが持っている機能や特徴はどういったものなのでしょうか。


三橋

そうですね。やはり誰でも使いやすい、という部分が大きいと思います。

例えば、CSVとかExcelのような表をアップロードすると、自動でスキーマ(構造)を推測してデータベース化することができるので、すぐに上げることができますし、APIからデータを流して同期することもできます。


畑間

Excelのデータをわざわざ綺麗にしてからMorphにアップロードしなくても、データさえアップロードすれば、Morph側で自動でなんのデータかを読み取ってくれるということですよね。


三橋

そうです。

数字やテキスト、イメージ、日付など、Morphがこれなんじゃないかと推測してデータベースを作成してくれます。


他にもデータベース内での検索が自然言語で可能で、例えば、従業員のデータから、一番従業員が多い部署を知りたい場合、「どの部署が一番従業員数が多いか」と打ち込むとその欲しいデータを教えてくれる訳です。使用する言語も、ブラウザで用いられている言語を読み取って、何語を使うか調整してくれます。


柴田

他にもノートブックっていう対話式の機能があって、特定のデータを可視化してって言ったら可視化してくれますし、ダウンロードしてって言ったらダウンロードしてくれます。

あと、共同編集も可能なので通話しながら一緒に作業する、ということもできます。


三橋

あとは、あまり綺麗に整理されていないデータを自動で整理してくれる、という機能もあります。まだ完全に実装できている訳ではないですが、例えば、従業員の履歴書の画像を一枚貼るだけで、そこに書いてある情報を読み込んで構造化してくれるということも可能になると​​思います。

現状、データ周りを正確に扱える人は限定的ですが、そういう人でなくても、誰でもデータを扱えるようになるんじゃないかと思っています。


畑間

すごい、これは仕事なくなりますね(笑)


三橋

業界ごとに機能を作っていると、結構コストがかかっちゃうんですよね。なので、なるべくジェネラルに作ることでコストを抑えつつ誰でも使えるようになるんじゃないかというのがMorphの目標です。


柴田

ちなみに、こう言ったデータベースを運用していると、データ数が1万とか軽く超えてしまうと思うんです。そうすると、データベースが重くなったり、開けなくなると思うんですが、Morphはデータが1億とかでもサクサク動くので、そこを理由に導入してもらうことも多いですね。


畑間

それはすごいですね。1億でもサクサク動くという理論はどういう仕組みなんですか。


柴田

データベースをExcelとかだとPC上で動かしていて読み込んでいるところを、Morphはサーバー上のクラウドで動いてるので、サクサク動くっていう仕組みですね。

あとチームでやる時に、このデータはこの人は見えちゃいけないけど、この人には見せたいという、権限管理ができます。なので、データのコラボレーションというところで、みんなが同じツールでアクセスできるようになって、今まで活用できなかった人も活用できるというのを狙っています。



新サービスの実証


ーーお話を聞いているだけで、ワクワクするような新サービスかと思うのですが、既にどこかのデータを使って実証実験みたいなことはしているんですか?


柴田

そうですね。

例えば、マーケティング部門が使いたいデータがあってそれを抽出する際に、バケツリレーのようなコミュニケーションになっていたものが、Morphを導入することで、マーケティング部門がデータを直接調べて、そのまま使うことができる、というケースはあります。


他にも何件か今月から運用を開始するものもありまして、それまで使っていたシステムを全部クラウドベース置き換えるときにMorphを置いて必要なインターフェースをうちで作るというものや、Morphを導入してそのインターフェースでみんなでコラボレーションしましょうというケースなどです。


畑間

例えば、あまりデータやITに関する知識のないデザイナーが選手の走行距離ランキングのデザインを作りたい場合、Morphを開いて選手名と走行距離を調べればMorphが必要なデータを出してくれるということですよね。


柴田

そうですね、まさにそういうイメージです。


ーー先ほど、Queueとしては相手にする業界をあんまりこだわらないと言っていましたが、その上でこういう業界が面白いんじゃないかというのはあったりしますか。


柴田

やはりデータをたくさん扱っている領域が面白いかなと思います。例えばコールセンターとかはデータが大量になるんですよね、サポートしたデータとか、何分電話してたのかとか、着電率とか。あとは人材系だったり、製造業とかにも興味があります。これらの業界は、どちらかというと元から我々のお客さんだったところで、アプローチしやすいという点もありますが。


他にもまだ探索中ではあるのですが、やはり業界を絞るというよりも、現状大量のデータを管理するのに苦労していたり、エンジニアはいるけど他の事業部とのコミュニケーションに歪みがある、といった悩みを抱えている企業を相手にできればと思っています。


畑間

僕は前職で大手メーカーがクライアントで、製品の原価計算などであらゆるデータが繋がっていてデータベースがとても重要な役割を担っていることを知りました。ただ、大企業だからそのシステムにお金を払えて整備できていたという印象ですが、Morphの場合はその辺りはどうなんでしょうか。


三橋

そうですね、かなりコストは安く抑えられます。

システム開発はコードを書くことすら企業側からするとリスクになります。コードを書くことでシステムが属人化してしまったり改修にも時間もかかったりという課題がどうしても出てきてしまいます。なのでそういう点をMorphでは解決できるというところと「このインターフェースって専門のものを使わなくてもこれでいいんじゃないか」という提案がMorphを使っていただくことで企業側にできるのではないかと期待しています。特にExcelで管理しているデータなどをMorphに置き換えると、よりデータを見やすく取って来ることができるのではないかと考えています。


畑間

今は一旦色々なことを検証している段階ですか。


柴田

そうです。ローンチはこれからで、まずはQueueに近い方々にベータ版を使ってもらっています。


畑間

全体的な話なのですが、Queueの中で「Morphに可能性があるかも」となった時の社内でのリソースのかけ方はどうしていたのでしょうか。おそらく他の案件も同時並行で色々動いていたとは思うのですが。


柴田

先ほどの話にも出て来たように、Queueではほとんどの案件で同じようなことをしていると捉えることもできます。もちろんインターフェースは全然違うんですが、データベースを作ってインターフェースを作るという流れは同じで、それはMorphで実現できます。

MorphはAPI連携も可能なので、Morphをバックエンドにして関連するシステムを開発することもできるんですね。

基本的にはこれまで使っていたデータベースと全く一緒でパフォーマンスも悪くならないので、Morphを裏側に使ったプロジェクトを受けるようにしていきつつ、リソースも徐々にMorphに集約していくという方針を取っています。

今いるお客さんもMorphに変えてくれればより使いやすくなるし、お客さんもコストと時間を減らすことができます。




Morph × SHIBUYA CITY FCの今後


ーー最後にこれからの展望について聞ければと思うのですが、将来的には、IT技術を全く使いこなせない、というクライアントまでアプローチしたいのか、逆にそこまでの想定はないのか、でいうとどうなんでしょうか。


柴田

考えたことなかったですね(笑)

現状だとおそらく、データをメモする際に、とりあえずExcelを開くかと思うのですが、そのとりあえず開く先がMorphになるといいかなと思います。


畑間

データの管理というところでいえば、サッカー界とも親和性が高いと思うので、その辺りを一緒に進めていきたいですよね。


三橋

そうですね。例えば、前述の対応ノートの機能を使えば、監督とかもデータを簡単にうまく使いこなせるんじゃないかと思います。会話形式で使うことができるので。


田口

Morphに映像解析のツールをつけることができれば、試合の映像をアップしたら、走行距離とかプレーの強度とかデータを簡単に解析してくれる、みたいな可能性もありますよね。


三橋

確かに。ただ、サッカーの映像の傾向として、ピッチの全てはなかなか映らないのでそこの難しさはあります。以前テストした際のように映像の解像度が足りないというハードルもあると思いますが、例えば、ボールに関するデータであれば既にできるかもしれません。


田口

おそらく国内のサッカー界では、情報を取ってみたもののうまく使いこなせないケースが多いと思います。渋谷シティもカタパルトというGPSデバイスをつけて試合中の走行距離を測ってますけど、実際どれだけデータを活用できているかと言うと怪しいですね。


三橋

結構どの業界でもデータはそうなりがちです。データをとったはいいけれど「使い方がわからないな」みたいな。


畑間

いいですね。サイトに関してだと、Morphを導入することによる可能性は何かありそうでしょうか。


三橋

先ほどのサイトの話と繋がるところでいうと、ノーコードのバックエンドとしても検討はしているので、例えば順位表や得点ランキングを見たい、調べたいとなった際に、順位表や得点ランキングの機能を備えているサイトのサービスはほぼありません。なのでコードを書いて実装しなければいけないのですが、Morphで集計してそのままデータを連携できると今のノーコードのまま、裏だけを集計したものでサイト上で表示できます。

なので、サイトの裏側にMorphをデータの集計やマネージメントで使いつつ、サイトの表側にデザインを加えてさらにリッチにデータを表示するというのは可能性としてありそうですね。


田口

例えばサイトで何か調べたい人が質問できる箱があって、そこに「今年一番点を決めている選手は誰ですか。」とか入れると、それが出てくるとか。他はやってなさそうだし、結構面白そうじゃないですか(笑)


畑間

確かに、今だと選手一覧のページを選んで、好きな選手を選んで、詳細なプロフィールを調べるという流れだけど、それがトップページにあってすぐに調べられたらすごく楽ですよね。


三橋

それでいうと、チャットボットはすぐ実装できます。イメージとしては、ChatGPTのような機能なのですが、データベースの中のデータに限定して答えてくれるので、イメージしているものに近い機能かと思います。


畑間

だそうです文也さん、すぐにできちゃうのでデザイン作ってください(笑)


田口

いいですね、やりたいです(笑)

​​

三橋

でも確かに、そういう使い方があるんですね。

スポーツみたいにデータがコンテンツになっているというパターンもあるのは面白いです。


柴田

そうですね、横軸で引けるリッチな選手名鑑みたいな感じですかね。そう言ったものはあまりないですし、面白いかもしれないです。


畑間

あえてニッチなスタッツをすごく見たいファンの方が必ずいますからね、まず星座を調べるとか(笑)あとは、選手だけじゃなくグッズとかにも使えそうですよね。季節にあうTシャツとか、予算いくら以内で3つ買いたいとか、そういったものを提案してくれる。次のアップデートでやりたいですね。


柴田

実際にそういうのをやりたいという依頼はECサイトを運営している企業からあるので、そういった機能はニーズがあるのかもしれません。


畑間

アクティビティの数に応じて、ファンのランキングとかもつけられたらいいですね。


田口

イメージがすごく湧いてきます。

本当にショップだったり記事だったりサイト内の色々なところに集計ポイントがあるので、ショップに多くアクセスしてる人はおしゃれなキャラクターが登場したり、その人のパーソナリズムで選手が育っていくとか。応用編のような、すごく楽しそうだな(笑)


柴田

我々としてもこれを実装しましたというユースケースをたくさん世に出すことでビジネスにも繋がりますし、ぜひやっていきましょう。


◼️Morphについてのお問い合わせはこちら:https://www.morphdb.io/jp/contact


◼️Morphに関するそのほかの記事

①「誰もがデータを扱える、新しいツールを。それを可能にする2つのテクノロジー」

URL:https://note.com/morph_db/n/n532168241ff8


②「データのための、NotionやFigmaのようなツールをつくりたい」

URL:https://note.com/morph_db/n/n63286393c2c2


③「Notion Projectにデータ分析を追加!もっと複雑なプロジェクト管理も!」

URL:https://note.com/morph_db/n/ne69d0befe6bb

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