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問いかける人生、答え続ける生き様。「波乱万丈な方へ向かっていく。それがむしろ面白い」ーー坪川潤之【UNSTOPPABLES】#5

2025年4月4日

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「これからどうしよう、どうなっていくのかなって、みんな思うじゃないですか。それに自分でちゃんと答える。こういう自問自答が好きなんです」


自身のnoteやYouTubeで自分の想いや日常を発信し、自らの内面と向き合い続ける坪川潤之。取材では抽象的な問いを投げかけることもあり、少しばかり彼を戸惑わせてしまったかもしれない。だが、それでも坪川は一つひとつの言葉を選び、丁寧に自分の想いを紡ぎ出してくれた。サッカーへの情熱、未来への不安、言葉へのこだわりーーすべてを真正面から受け止め、自らの経験を言葉に残すことで、自分自身の「存在証明」を刻み続けている。


【UNSTOPPABLES~止められない奴ら~】

昨シーズン、関東2部への昇格を決めたSHIBUYA CITY FC。その栄光の背後には、勝利以上のものが隠されていた。選手たちの揺るぎない自信と勢いは、彼らの人生に深く刻まれた歩みから来ている。勝利への執念、それを支える信条。止まることを知らない、彼らの真の姿が、今明らかになる。

第5回は新加入選手のひとり、坪川潤之。思考を深め、問いに迷いながらも、自身の内面と対話を繰り返し、確かな自信と共に未来を見据える姿。彼の哲学が織りなす、真の強さに迫る。


 

坪川 潤之(つぼかわ ひろゆき)/ MF

北海道札幌市出身。1997年5月15日生まれ。178cm、74kg。札幌ジュニアFCで小学校6年時から中学まで過ごし、その後は矢板中央高校、東洋大学へ進学。大学4年時には関東サッカーリーグ2部に降格するも、キャプテンとしてチームを引っ張った。卒業後は、AC長野パルセイロに3年間在籍。1年目は怪我に見舞われながらも、ほぼ全試合に出場。契約満了後は、当時J3のカターレ富山に移籍し、11年ぶりのJ2昇格に大きく貢献。今シーズンからSHIBUYA CITY FCに加入。Jリーグ100試合以上出場の経験を誇り、左利きでボランチから、CB、SBまでこなす守備力に加え、学生時代で培った攻撃力を兼ね備える万能型プレーヤー。昇格の厳しさを知るメンタリティで、チームを支える頼れる存在。

 

「書く」ことで織りなす、今と未来


今や、多くのアスリートがブログアプリnoteやYouTube、Instagramといったプラットフォームで積極的に発信する時代だ。自分自身やチームのブランディング、ファンとのコミュニケーション、さらにはキャリアを見据えて。坪川もそのひとりだ。読んだ本の感想、日常の気づき、哲学的な考察まで幅広く発信している。もし、まだ彼の発信に触れたことがない人がいたら、ぜひ一度目を通してほしい。きっと、言葉を紡ぐ彼の姿勢に心を動かされるはずだ。


そんな彼にだからこそ、思い切ってストレートにぶつけてみたくなった。


あなたにとって、言葉とは何ですかーー。


「ざっくりとした質問ですね」と少々苦笑しつつも、練習後の食事の手を止め、「なんだろうな……」としばし沈思し、そしてゆっくりと口を開いた。


「言葉はね、本当に大事。何かを相手に伝えるのに必要じゃないですか。だからこそ、使う言葉もすごく選ぶし、タイミングも考えます」


一瞬、どこか聞き慣れた答えに思えた。だが、彼の語りはそこから一気に深みに入っていった。


「本を読むのが好きなので、そこに出てきた心に響く言葉を記録していたんです。スタートはそこから。あとは、小学校から大学までサッカーノートを書き続けていた影響もあって、ずっと毎日日記を書いているんですよ。趣味みたいなものですけど」


日記をつける人は多いが、坪川の場合は違う。「書く」という行為そのものに、彼は特別な意味を見出している。


「過去、その時に"自分が確かにいた"という記録は、映像や写真、携帯のデータでも見れます。でも、"書く"という行為は、そこに自分の文字の筆圧が残る。例えば2012年のサッカーノートなんか、めっちゃ字が汚くて、ひらがなばかり。でも、その筆圧を見ると、『俺は確かにこの時にいた。ちゃんと生きていたな』って感じられる。めっちゃ深いですけど(笑)」


"書く"という行為は、坪川にとって自身の存在証明。記憶でも、映像でもない。筆圧に刻まれた自分の生きた証が、彼の過去と現在をつないでいる大切な営みだ。さらに、坪川は指で机をなぞらえるような仕草をしながら思考を巡らせた。


「気持ちが乱れている時は、携帯にメモを残すのもいいんですけど、筆圧だったら触れられるんです。哲学っぽいですけど、2012年に書いたボールペンのインクだって、2025年に触ったら、”そこに確かに自分がいたな”って感じられるじゃないですか」


彼にとって、「書く」ことは思考の整理や感情の吐露に収まりきらず、自分自身の存在を未来に伝える手段。とはいえ、その記録は決して大それたものではない。


「内容はほぼサッカー以外のことです。『なんかめっちゃ疲れた』とか、そんなもんです。30文字、2行ぐらいで終わる日もあれば、逆にすごく印象的な日は長く書いたりもします。疲れた日は書くのを忘れて、3日後に一気に書くときもある。後から思い出せるように、何か面白いことがあったら、とりあえず携帯にキーワードだけメモしておいて、そのまま終わることも多いですね」


肩肘を張らず、ルールに縛られないからこそ続けられる。「書く」という行為は、いつでも自然体で寄り添ってくれる存在だ。


「本当におすすめですよ」と何度も繰り返し口にした。これほどまでに、坪川にとって、「書くこと」と「言葉」というツールは、自分を形作る大切な軸である。


”種”を蒔き続ける使命感


社会人リーグでプレーする選手は、仕事とサッカーだけで日々が埋め尽くされる。それだけで十分タイトなスケジュールだ。にもかかわらず、noteに文章を綴り、YouTubeの編集までこなす坪川。なぜ、そこまでして”伝え続ける”のかーーその理由を問うてみた。


「もう、始めてから結構長いんですよね。6年目くらいかな?」


そう言ってしばらく考えた後、ぽつりと言葉を紡ぎ始めた。


「サッカー選手である期間って、すごく短いと思うんですよ。だからこそ、"サッカー選手の坪川"じゃなくて、”サッカーを取った坪川はどういう人間なのか”を、自分でもちゃんと知っておきたかったんです。始まりは、本を読んだ時の気づきや学びをノートにまとめる、自分用の記録でした。自分がどんな影響を受けたのか、振り返った時に『あの本が、自分の考え方を変えたな』って気づけるんです」


坪川が記しているのは、単なる備忘録だけではなく、自分という人間の軌跡だ。彼が何に心を動かされ、何を吸収してきたのかーー。それを忘れず、未来への自分へと繋げていくための”自己対話”でもあった。


「自分という人間を形作る”種”を記録することで、それがもしかしたら誰かにとっても意味のあるものになるかもしれない。そんな気持ちで発信を始めました」



その想いはnoteだけではない。YouTubeにも根底から流れている。


「サッカーだけでお金を稼ぐって、めちゃくちゃすごいじゃないですか。でも、どこかでサッカーだけでお金を稼ぐリスクみたいなのを感じていて。サッカーがなくなった時、自分で稼ぐ方法が何もない。その不安をずっと考えてきました」

「なんだろう……」と坪川はまた考え込んだ。自分の中にある考えを確実に言語化しようと試みているのだろう。


「J1や世界のトップレベルまで行って、サッカーだけで食べていけるならそれでいい。でも、中途半端にサッカーだけで稼ぎ続けるのは、逆にそれはすごいリスクだと思ったんです。絶対サッカー以外で稼がないといけない時が来るので。他の選手も漠然と、キャリアの不安を抱えていましたし、自分もその一人でした」


ここには、”デュアルキャリア”という現代のアスリートに突きつけられた課題が浮かび上がる。サッカーだけに生きるのか、それとも次のキャリアを見据えた準備をするのかーー。その”選択”の重みを、坪川は誰よりも強く感じていた。


「現状、サッカーだけで稼いできた人が、どうやってビジネスの世界に入っていくのか、その道筋がわからないから、多くの選手が不安を抱えているのだと何となく考えていました。自分もそうだったから。実際の当事者として今ここにいるので、そのリアルを発信すれば、自分用の記録にもなるし、見てくれる人にとっての”気づき”になればいいかなって思ったんです」


さらに、Jリーグとは異なり、社会人リーグに所属するCITYの試合はDAZNのような大手メディアでは見ることができない。その現実も彼の発信への意欲を、さらに掻き立てた。

「Jリーグの試合はDAZNなどのメディアで見られるので、僕のことを知りたかったら、たとえ遠く離れた場所にいても『今日、坪川が試合に出てるな』ってわかりますよね。でもCITYはカテゴリーが違うから、そうはいかない。他のチームに比べたら、CITYはかなりSNSの運用を頑張っているので、それはありがたいことですが、『今、坪川って何しているんだろう?』って思ってくれる方がいても、気軽に見られる手段がないんです」



知ってもらう手段がないなら、自分でつくればいいーー。その意志が、坪川を突き動かした。


「たくさん応援してくれるファンの方がいるから、何か一つでも今の僕の活動が伝えられるものがあったらいいなって。そう思ってYouTubeも始めたんです」


その想いは確実に届いている。YouTubeのコメント欄には、「日常が見られて嬉しい」「渋谷に行っても応援しています」「自分も勇気をもらいました!」といった温かい声が溢れている。


「あれは、素直に嬉しいですね」と照れ臭そうに笑う坪川だが、そこには優しい眼差しが宿っていた。


ファンへの感謝、キャリアへの危機感、未来への責任ーー。そのすべてが、誰かの未来に光を届けるための原動力になっている。サッカー選手としての限られた時間を知っているからこそ、”言葉”と”記録”という武器を手に、未来への”種”を蒔き続けているのだ。


急がず、焦らず。移動時間が人生のカギ


渋谷に加入してから、練習と仕事を繰り返す忙しない日々。毎日が時間との戦いだ。「今は渋谷から少し遠いところに住んでいるので、とにかく時間がないんです。夜も疲れ切っちゃっているので、何も考えられない日もあります」というのが彼の実情だ。だがそれでも、1日の中で欠かせない重要なルーチンを意識的に設けている。それは毎朝の通勤時間だ。


「快速急行に乗ったら渋谷まで約25分で着くんですけど、毎日少しだけ早く起きて、わざと45分ぐらいかかる各駅停車の電車に乗るんです。その約1時間をフリースペースのように、自分の好きなことに充てる時間にしています。座っていれば周りも関係ないので」

通勤という一見何気ない時間に、彼は座って周りの雑音をシャットアウトする。それが彼にとって最も価値のある時間を過ごしている。


しかし、現代社会では「効率」を重視するあまり、すべての時間を短縮し、最大限にコストパフォーマンスを求められることが美徳とされがちだ。誰もが25分で済ませられるなら、そちらの方が効率的だと考えるだろう。ましてや、朝の忙しい時間帯に早起きし、わざわざ倍の時間をかける必要はあるのか。そう問いかけた筆者に、坪川は電車の通勤ラッシュの人混みに揉まれる動作をしながらこう答えた。


「こういう中にいたら『25分間無駄にしている』と思ってしまう。だから余裕を持って朝起きて、45分かけて移動する。それだけで、他の人たちが単に移動している時間を、僕は学びの時間にすることができるんです。今日も早く起きてゆっくり移動しました。みんなは互いにぎゅうぎゅうに押し合ってるけど、座っている僕には全然関係ない」


単なる移動時間を学びの時間に変え、余裕を持って生きることの大切さ。多くの人々が目の前の「効率」にとらわれ、膨大なタスクに急かされる中で、その常識に一石を投じるように、坪川はあえて「余白」を持ち込む。その余白が、彼にとってはかけがえのない時間であり、人生を豊かにするための源泉となっているのだ。一見、「無駄」に見える時間をどう活用するかにこそ、真の価値があることが見て取れる。


逃げず、前を向く。かっこよさの本質とは


坪川潤之という男の芯の強さは、これまでからわかるように言葉の節々から見て取れる。そして、自分なりの”かっこいい”についても語ってくれた。

「楽しんでいる人はかっこいいです。富山でも見てきたんですけれど、試合に出れないときって、やっぱりすごくしんどいんですよ。それでも何も言わずに黙々とやってる人、苦しいときに頑張れる人がめっちゃかっこいい」


サッカー選手である限り、歓喜の瞬間よりも悔しさや葛藤する時間の方が圧倒的に多い。それは彼もよく知っている。


「僕もそういう時期がありました。本当にめっちゃしんどかった。でも、それを見せない人って、サッカー選手というより人として強いなと。振る舞いも含めてかっこよすぎます」


苦しいときこそ、その人の本質が試される。愚痴をこぼすことも、諦めることも、環境のせいにすることもできる。だが、誰にも見えないところで自分と戦い続ける人は、圧倒的に”かっこいい”。坪川が惹かれるのは、そういう生き様だった。


「人で言ったら、まずマスさん(増嶋竜也監督)。あとはシュンくん(岩沼俊介)もそうですね。僕がJリーグ1年目のときから一緒にシュンくんとやっているんですけど、まだ現役でプレーしている。本当にすごいなと。サッカーをこんなに続けられること自体がすごいし、続けられるチームがあることもすごい」


彼が尊敬する人たちは、ただ与えられた場所で自分にできることを積み重ね続けてきた。その姿に坪川は心を動かされてきた。



坪川にとって”かっこよさ”とは、自分の信じた道を貫くこと。たとえ結果が出なくても、自分の足で、信じる未来へと歩き続けること。どんな状況でもブレない”軸”を持っている人こそ理想像であった。そして彼自身もまた、その”軸”を見失わない覚悟がある。

「うまくいかない時に、逃げたくないんです。去年も富山でなかなか試合に出れない日々が続きました。前半戦はほぼ出れなかったので、実は夏には移籍する話もあったんです。移籍することも選手としては正解だと思います。自分が出ないと評価されない世界ですから」


それでもーーと坪川は続ける。


「自分は、"逃げてる"みたいに思ってしまう。サッカー選手としてそれが正しいかどうかはわかりません。移籍したチームで成功して、活躍して、『前のチームと合わなかった』と思う選手もいるじゃないですか。でも僕の場合は『俺、うまくいかないから逃げるのか?』と思ってしまう。残り半年で巻き返せると思ったので、移籍はしなかった。実際、昇格できて、ピッチにも立てたし良かったです。あの時逃げてしまったら…いや、”逃げ”っていう表現は違うと思うんですけれど、うまくいかなかった時に、そういう"逃げ癖"がつくんじゃないかなと思って」


坪川はそう言いながら、最後にこう付け加えた。


「もちろん、ちゃんと判断して別の道に行くことも正解だと思ってますよ」

だが、彼はそうした選択をすることは考えられなかった。事実、坪川が選んだ道の先には、11年ぶりのJ2昇格という、忘れがたい歓喜の瞬間が待っていた。


「シーズンの目標は達成できたんですけれど、自分の人生の中で見たら、ただの1つの点でしかない。むしろ時間軸を伸ばして僕は見ているので。確かにすごく素晴らしい1年でしたが、そこが終わりではなく、昇格という経験が、これからプラスに活きてくると思っています。CITYが関東一部に昇格するのに、僕が経験してきたことがプラスになればいいなと」


昇格の瞬間、それは言葉では表現できないほど貴重な経験であり、坪川にとっては何ものにも代えがたい瞬間だという。自分がフィールドに立っていたか、いなかったかは一切関係ない。その瞬間が持つ重み、そしてその瞬間に待っている未来のために、どれほどの努力を重ねてきたか、それこそが彼の誇りだ。


「今年の目標である関東1部昇格も同じ。普段のトレーニングから常に勝つことを意識してやっています。チームにとって必要な存在になれれば、それでOKです!(笑)」




渋谷が次なるステージに進むためには、彼の存在が欠かせない。昇格の厳しさと、歓喜の瞬間の高揚感を知っているからこそ、その経験を胸に、チームをさらに高みへと押し上げてくれるに違いない。


そして、すべてはあの一瞬から始まる。


「キックオフの笛が鳴った瞬間、自分の中のモードがガラッと変わります。社会での当たり前が、サッカーだと当たり前じゃなくなる。ずる賢さも、ルールのギリギリを攻める駆け引きも、勝つためには必要なもの。スイッチが入ると『戦いだな』って(笑)」

試合が始まるその瞬間、坪川は‘"日常"を置き去りにする。ルールの中で、勝つためにできることをすべてやる。ただ、勝利のために。


問い続ける生き様


最後に、彼にとって大切している言葉について聞かせてくれた。


「"人生の問いに答え続ける"。これからどうしよう、どうなっていくのかなって、みんな思うじゃないですか。例えば、『就職先どうしよう』『結婚どうしよう』とか、こっちから問いかけがちだけど、『お前、就職先どうするの?』って、人生に問われてるんだと思うんです。それに自分でちゃんと答える。『俺はこうしたい』って。そうやって人生の問いにただ答え続けるスタンスでいれば、たとえ困難が来ても『さあ、こんな困難来たけどお前はどうするの?』ってむしろ楽しめると思います」


この言葉は、坪川自身のサッカー人生そのものだった。Jリーグからオファーが来なかったとき、彼は「どうしよう」と立ち止まるのではなく、問いかけに対して自分なりの答えを出した。


「『オファーが来なかったけど、お前はどうするんだ?』って言われてる気がして。だから僕は『SHIBUYA CITY FCに行く』と決めたんです。こういう自問自答が好きなんですよね。おすすめですよ!(笑)」


坪川は、誰よりも自分自身と対話し続ける選手だ。浅い言葉では片付けられないが、少なくとも筆者はそう感じた。


ただ、彼も四六時中そんな問いに向き合っているわけではない。

「一日中ずっと考えていたら疲れちゃうので、考える時間をちゃんと決めています。今日だったら、これから仕事に行って帰って、夜寝るまではあんまり考えないですもん。今の作業に集中する。朝電車に乗っている、ゆっくりした時間にいっぱい考えます。大好きな読書をしながら」


彼にとって、問い続けることは”生きる姿”そのものだった。

「大学時代もいろんなセミナーに参加してました。そうやって常に挑戦していきたい。サッカーでも同じ。自分が苦手なことにもチャレンジする。やっぱり安定が嫌いです。現状維持は本当にダメ。むしろうまく行かない方がワクワクするんですよ」

そう言って、坪川は笑った。だが、その瞳は次の問いに向けて、すでに新たな答えを探し始めていた。


「『お前、どうするの?』っていう問いは、ずっと続きますよ。僕はその問いに、これからも答え続けます。トレーニングも仕事も120%、フル稼働で踏ん張る。どこに行っても、まずは元気よく挨拶をしっかりする。


疲れるときもあるけど、そういうときに態度に出すのは簡単なので。そんなの誰でもできます。だからこそ、120%どう踏ん張れるか。まあ、いつか壊れたら面白いですけど(笑)爆発して『もう無理ー!』って」と笑い飛ばした坪川だが、最後にこう言い切った。

「俺はこれからも、波乱万丈な方へ向かっていくと思います。それがむしろ面白い」

次に彼の前に立ちはだかるのは、また新たな困難であってほしいーー。そう願う自分に自己嫌悪を覚えながらも、それでも彼なら乗り越えられると信じてしまう。



ここまで自分の想いを、これほどまで確実に、そして熱く、言葉へと昇華できる選手はいただろうか。これからどんな困難が訪れようとも、坪川潤之は自分の生き方に問い続け、その答えを体現していくだろう。


「お前はどうする?」


人生も、サッカーも、その連続なのだから。


 

YouTube:坪川潤之【リアルキャリア奮闘記】

note  :坪川潤之|人生に勝ち続けるサッカー選手

 

取材・文 :西元 舞 

写真   :福冨 倖希

企画・構成:斎藤 兼、畑間 直英

 

SHIBUYA CITY FC

渋谷からJリーグを目指すサッカークラブ。「PLAYNEW & SCRAMBLE」を理念に掲げ、渋谷の多様性を活かした新しく遊び心のあるピッチ内外の活動で、これまでにないクリエイティブなサッカークラブ創りを標榜している。

渋谷駅周辺6会場をジャックした都市型サッカーフェス「FOOTBALL JAM」や官民共同の地域貢献オープンイノベーションプロジェクト「渋谷をつなげる30人」の主宰、千駄ヶ谷コミュニティセンターの指定管理事業など、渋谷区での地域事業活動も多く実施している。


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