
KICK OFF |
5:30
AGFフィールド


SHIBUYA CITY FC

ヴェルフェ矢板
3
0
2025シーズン 関東サッカーリーグ2部
2025年7月13日
GAME RESULT
GAME REPORT
GAME PREVIEW - 試合前情報 -
狼煙をあげろ、反撃の幕開け
勝ちきれぬ現実に潜む、自分たちの甘さ
「勝てるはずの試合だった」ーー試合後、そう感じた者は少なくなかっただろう。
味の素フィールド西が丘での初のホームゲーム第9節・日立ビルシステム戦は、連勝の流れを掴む絶好の舞台となるはずだった。しかし、結果は1-1のドロー。これまで以上の熱い声援を背に、前節に続く勝利を掴むことができず、連勝への道は再び足踏みすることとなった。
渋谷はフォーメーションを[3-1-4-2]から[4-2-3-1]へ変更。前線と中盤の連動性を高める意図が見えたが、右サイドで積極的にチャンスを演出した佐藤蒼太は試合をこう振り返る。
「前半の入りはそこまで悪いとは感じていなかったが、失点したシーンから、『また勝ちきれないかもしれない』という雰囲気がチームに流れてしまった。自分たちで悪い流れを作ってしまった内容だった」
問題のシーンは前半25分。相手のフリーキックからファーサイドであっさりと合わせられ、先制点を献上。守備での連携ミス、特にカバーの遅れが続いた流れがこの失点を招いた。ここ最近、崩されての失点というよりも、集中力やポジショニングのミスが目立っているのは気がかりな点だ。
攻撃面では、鈴木友也を起点に縦パスを通す展開が機能していた。特にオープンな局面では鈴木の持ち味が生きる。一方で、中盤と前線の距離が近くなりすぎたことで、相手に狙いを読まれる場面も多かった。また、中盤の土田直輝と本田憲弥のコンビも、ややアンバランスな印象がある。攻守に顔を出す土田、ハードワークが特徴の本田。噛み合いそうでいて、全体の統率という点では課題も残る。キャプテンである土田がもう一段階、ゲームコントロールに軸足を置く必要があるだろう。
またセットプレーも単調であり、ターゲットが鈴木に集中。同じパターンが繰り返されることで相手に対応されやすくなった。キックの精度を高め、他の選手を活かすバリエーションが求められる。
後半、交代カードで流れを引き戻すことには成功した。80分、小関陽星が左足で叩き込んだ同点弾は、宮坂拓海、渡邉千真と交代選手3人が絡んだ会心のゴールだった。
しかし、その後は山出旭が負傷によって一時ピッチを離れると、再び主導権が相手に傾く。このとき、すでに交代枠を使い切っていたこともあり、采配のタイミングや構成には一考の余地がある。特に、ここ最近の気温の高さの疲労で、試合終盤に失速する傾向が続いている現状を踏まえると、交代戦略に余白を残すことも必要だ。
渋谷が目指すサッカーは、ポゼッションを軸としたテンポのある攻撃だ。その中で、緩急つける時間やペース配分、そして駆け引きのクレバーさを身につけることが、次なる勝利の鍵となる。
後半途中出場した渡邉千真は、「失点を減らすことと、攻撃では相手に合わせず自分たちの流れや形をもっと出して、相手ゴールに迫るような攻撃をしないといけない。そうすればもっと点を取っていけるはず」とコメント。
あと一歩が、まだ遠い。その距離を縮めるためには、外に理由を探すだけではなく、自分たちの内側にある甘さと向き合う必要がある。技術だけではなく、ゲーム全体を見通す勝ち方を知ることも重要な要素なのかもしれない。
開幕戦以来の再戦。いざ、リーグ後半戦へ
明日の相手は、ヴェルフェ矢板。開幕戦では、試合終了間際に水野智大が決めた執念の同点弾で、なんとか勝ち点1を拾い、関東リーグの洗礼を浴びた船出となった。
あれから約3か月。シーズンの折り返し地点を迎え、現在渋谷は勝ち点13で3位と上位に位置し、2位との差もわずか2ポイントにまで縮めている。明日のAGFフィールドは、またしてもチームにとって“初”となるホームゲームの舞台だ。ここで得られる熱い声援は、選手たちの背中を押す大きな力になるだろう。
一方で、ヴェルフェ矢板も前節での勝利で勢いを増し、今シーズンは順位こそ7位ながら勝ち点差は3にとどまり、決して侮れない存在だ。後半戦の幕開けを飾る一戦は、昇格争いの流れを大きく左右する重要な意味を持つ。
渋谷は開幕戦で見せた粘りと勝負強さで、明日のAGFフィールドでのホームの声援を力に変えたいところ。対するヴェルフェも勢いに乗り、一気に順位を押し上げるべく気合いは十分だ。
いよいよ始まる後半戦。前節はホームでの熱を結果へと結実しきれなかった渋谷だが、再び迎える注目の舞台で逆襲の狼煙をあげる。

PLAYER'S COMMENTS - 試合前 選手コメント -
11 本田憲弥 / MF
ーーここ数試合は勝ちきれていない試合が続くが、その要因はどこにあると思うか
今年は失点が多いので、自分が出たときはゼロでおさえるのを意識していたが、なかなか難しいところではある。相手から綺麗に崩されるのはそんなにないような気がするので、本当にちょっとした部分だと思う。試合になると難しいが、突き詰めていかないと勝てないので集中してやっていきたい。
ーー中盤での土田とのコンビの相性や手応えは
つっちー(土田)とはずっとやってきているので、喋らなくてもお互いやりたいことは大体わかっているのでやりやすさはある。自分が守備をメインでやるので、つっちーには攻撃を重視してやってもらいたいという気持ちはある。
ーー明日は開幕戦でも戦ったヴェルフェ矢板との試合。後期に向けての意気込みを
失点しないことが一番だが、取られてしまったら仕方ない。自分たちのやることをやればチャンスはあるし、点は取れると思うので、これ以上失点しないことを意識したい。
だいぶやることもわかってきてチームとしてもまとまりつつあると思う。ここで勝って、後期は勢いに乗っていきたい。

7 水野智大 / MF
ーー前節は決して内容は悪くはなかったと思うが、それでも勝ちきれない要因はどこにあるか
チームでやりたいことは練習で落としこめているし、間違ってはいないと思う。でも、自分たち含め、相手のゴール前で体を張ったり、飛び込んだりなど、そういう細かいプレーが少ない。球際やスローインのすごく細かいところも、ピッチだと11人、ベンチ含めると18人、一人ひとりがもっとチームのために勢いをもってやれればいいが、その勢いが今はあまりないかなと思う。
ーー自分たちのミスでやられているということか
自分たちは仲間なので、ミスをしてもポジティブにやればいいところを、ちょっと雰囲気が悪く、誰かのせいにしている気がする。その意識はないとは思うが、ちょっとした隙というか、もう少しチームとしてひとつになれれば勝てると思うし、ひとつ勝てればその感覚をみんなで掴んで勝ち続けられると思うので、明日はそれを掴む一試合にしたい。
ーー開幕戦から約3ヶ月。チームしての成長した部分や成熟度はどうか
勝ったり負けたり引き分けたり、いろんなシチュエーションの試合をした中で、自分たちがうまくいったときもいかなかったときも、みんなでそれなりに向き合って9試合戦えたというのは、意識的に学べた部分もあるし、無意識的にいろんなことを体で学べている部分はあると思う。
成熟度でいくと、今までのシーズンでは負けたり引き分けたりすることはなかったと思うので、そういう意味ではチームとして修正することは増えたのかなと思う。負けや引き分けを自分たちで受け止め、それを練習で変えようと思って戦ってきたので、今は難しい戦いとしているが、それは事実であり自分たちの実力だと認めてきた。そうやって前に進めているのはポジティブな要素だと思うので、残り9試合巻き返したい。
ーー明日からリーグ後期が始まるが、どんなプレーで魅せていきたいか
僕は9試合戦ったなかでも、3試合スタメンで、3試合ベンチで、3試合出てなかったので、後期は全試合絡んでいきたい。前半戦は自分が点を取ってるし、後半戦も自分がもっと点を取って勝ちたい思いが強くある。
ーーファン・サポーターにメッセージを
ファン・サポーターの方々もワクワクして会場に来てくださると思うので、心に残る試合を、全員が身体で表現したいと思う。ピッチでしか表現できない部分もあるので、体を張る部分や球際の部分は誰よりも僕が率先するので、心を動かしていきたい。

BOSS'S COMMENTS - 試合前 監督コメント -
増嶋竜也 / 監督
ーー前節を振り返って
本当に死に物狂いでクリアする気持ちがあったのか、チームとして隙がなかったのか、0-0の状態で自分たちから崩れていってしまうのは、今年の課題なのかなと思う。
ーー交代枚数を使い切るのが早い気もしたが、どう振り返るか
負けてる状態で点を取りにいくっていうところで交代枠を早く使いたい思いがあったので、そこに後悔はないし、もう一回やっても同じことをしたと思う。あとは戦い方というところを、ビハインドからスタートするところを直さなくてはいけない。
試合になると相手もいろんな戦いを考えて挑んできたなかで、9試合やって全体の戦い方は整理されてきたと思う。こういう戦い方もありかなというものをこの1週間落としこんできたので、それが明日の試合でどうできるか楽しみ。
ーー明日の試合への意気込み
たくさんのサポーターも来てくれると思うし、今まで通りの戦い方ではない戦いをすると決めてこの1週間やってきたので、その姿が見せれればいいなと思う。
なかなかできる会場ではないと思うし、前回は情けない試合をしてしまったので、今回こそは結果として皆さんと喜び合えるようにやっていきたい。

GAME REVIEW - 試合記録 -
リーグ後半戦の幕開けは、渋谷にとって新たなホーム、AGFフィールドでの一戦。夏の熱気に相応しい快勝で、後半戦への手応えを感じさせるような内容であった。
試合前日、増嶋監督は「こういう戦い方もありかなというものをこの1週間落としこんできたので、それが明日の試合でどうできるか楽しみ」とコメント。その言葉通りの意図なのか、フォーメーションを[4-2-3-1]から[4-1-2-3]へと変更。久々の先発として、左サイドバックに宮坂拓海、右の位置に大越寛人、中盤の底に楠美圭史を配置した。
立ち上がりから、渋谷は落ち着いてボールをつなぎリズムを作っていく。守備では、相手の武器であるロングスローにも冷静に対応。特に相手の10番の左サイドからの攻撃にも、鈴木らが対処し決定機を作らせない。渋谷も攻撃を仕掛けるが、相手の体を張った守備に阻まれ、なかなか一筋縄ではいかない。

それでも渋谷は、宮坂が左サイドから積極的に前線へ押し上げ、コーナーキックを獲得。大越がショートコーナーからクロスをあげるが、これは相手にクリアされる。すると、相手も負けじと応戦し、ボールをつないで外から押し込む形で攻撃を試みる。28分にはスローインの流れから左サイドを崩され、中央まで持ち込まれたところでシュートを許すといった、渋谷の守備が緩んだシーンも見られた。
だが、その後は鈴木の縦パスに反応した植松が右サイドの小関へ展開。小関があげたクロスは一度相手にクリアされるが、そのこぼれ球を土田が素早く反応しシュートしたが、クロスバーの上へ。惜しい場面となったが、ゴールの予感を十分に感じさせた。

32分には敵陣での攻撃が一度クリアされるも、左サイドの宮坂が回収し中にクロスを送る。これを吉永が胸トラップし、最後は政森がそのままダイレクトシュートに持ち込むが、キーパーの好セーブに阻まれ、ネットは揺れない。その後も攻撃の手は緩まず、再び左サイドの宮坂からアーリークロスに政森が反応したが、これも相手ブロックに阻まれる。

さらに、植松が中央へ鋭い縦パスを狙って裏抜けを狙うも、タイミングがわずかに合わず。ショートパスの連動から攻撃を組み立てる姿勢は一貫していたが、ボールをつなぐ意識が強すぎたせいか、フィニッシュまで持ち込む迫力に欠ける場面も。
だが43分、ついに試合が動く。鈴木の縦パスを中央で小関が引き出し、そこから大越へ。右サイドのポケットの位置に侵入した土田が、ゴール前へクロスを供給し、そのボールに猛然と飛び込んだ植松。身体ごと押し込むような気迫のプレーで、貴重な先制ゴール。ここ数試合、先制点を奪えずに流れを手渡す展開が続いていただけに価値ある一発となった。

前半終了間際まで、植松と土田のハードワークと小関の得点を呼び込むような果敢なドリブルで攻守にわたって渋谷に流れが傾く。そのまま1-0とリードし、後半へ折り返す。
後半が始まり、渋谷はギアを緩めずテンポを上げて攻勢に出る。植松の縦パスに政森が反応するが、ファーストタッチがやや大きくなり、シュートは枠を外れる。それでも植松の執拗なプレスで相手に落ち着く時間を与えない。

52分には、土田を起点に、宮坂、吉永とのパスワークで左サイドを崩すと、土田のファーサイドにあげたクロスを小関がシュート。そのこぼれ球を吉永が押し込むも、ブロックされる。一度後ろにさげ、小関のアーリークロスに政森が頭で合わせるが、こちらもキーパーに阻まれる。
そんな中、待望の追加点は57分に訪れる。右サイドでボールを受けた小関が中へドリブルで切り込み、宮坂から鈴木へつなぐ。さらにポケットの位置に入り込んだ小関が冷静にクロスを入れるとクリアされるが、そのボールを土田が競り勝ち、政森が粘り強くキープ。エリア内で、小関が相手をかわしながら左足でシュート。そのわずかなこぼれを最後は大越が押し込み、追加点。大越にとっては今季初ゴールとなった。

2点目を奪った後も、植松の推進力で相手陣内を切り裂く姿勢が攻撃にさらなる勢いを与える。直後のスローインの流れからは、小関が巧みにボールを収め、再び植松が鋭く仕掛けてシュートに持ち込むなど、攻撃の手は一切緩まない。
その勢いに呼応するように、渋谷は波状攻撃を続け、リードを広げにかかる。相手も反撃に転じようと、まずは1点を返すべく前がかりになるが、そのスペースを狙い、渋谷はさらに相手を突き崩しにかかる。
中でも土田、植松、小関の前線からのプレッシングは、試合時間が進む中でも衰えを見せず、相手に自由を与えない。攻守の切り替えが早く、組織的な守備も綻びを見せない。

67分には、大越に代わって佐藤、楠美に代わって本田を投入。相手がカウンターを狙った局面では、一瞬ヒヤリとする場面もあったが、岩沼が抜群の読みでコースに入り、完璧なカバーリングを見せて難を逃れた。ベテランの冷静な対応が、チームのリズムを崩さずに保ち続ける。

試合終盤に向かっても、渋谷の集中は切れず、相手のセットプレーには鈴木が確実に対応し、要所での守備に安定感をもたらす。攻守に渡る気の利いた仕事が、存在感を際立たせる。
その後、77分には政森に代わって渡邉千真、吉永に代わって水野を投入。攻撃のギアを落とすどころか、さらなる勢いを加える交代策だった。
79分には、宮坂が左サイドからファーサイドにボールを送ると、小関が狙いすましたシュート。しかしこれはブロックに遭い、ネットは揺れず。ここは小関の得意とするカットインが見たかったという惜しさが残った。
82分には、小関のキックから渡邉が力強くヘディングで合わせるが、枠を捉えきれず。続く84分、積田の正確なゴールキックから宮坂が競り勝ち、そのセカンドボールを水野が左サイドで拾って鋭いクロスをファーサイドへ送る。小関がシュートを放ち、コーナーキックを獲得。
このコーナーの流れから、こぼれ球を拾った小関がポケットの位置で仕掛けると、逆サイドから入ってきた水野がマイナスの折り返し。待っていた鈴木がダイレクトで狙うも、相手GKの好セーブに阻まれる。だが、攻撃のテンポは止まらない。
そして87分、渋谷が試合を決定づける3点目を奪う。相手のビルドアップを中盤で土田が奪い取り、すかさず水野、本田へと繋ぎ、その縦パスを土田がワンタッチで落とすと、渡邉が抜け出す。相手DFをかわし、ゴール左隅へ左足で冷静に流し込んだ。これが渡邉にとって待望の今季初ゴール。チームの一体感が詰まった美しい連携での一撃だった。

アディショナルタイムは4分。渋谷は最後まで攻撃の手を緩めず、フリーキックの流れから鈴木がヘディングで追加点を狙う。集中を切らすことなく守備陣も踏ん張り、そのまま試合終了の笛。久々の複数得点に加え、今季初となるクリーンシートも記録した。
次節の相手は東京国際大学FC。前期は2点のリードを奪いながら、3失点で逆転負けを喫した相手だ。あの日の悔しさを晴らす舞台は整った。連勝へ、そしてリベンジへ。渋谷の勢いは、ここからさらに加速していく。

GAME HIGHLIGHTS - 試合ハイライト -
PLAYER'S INTERVIEWS - 試合後 選手インタビュー -
GAME PREVIEW - 試合前情報 -
狼煙をあげろ、反撃の幕開け
勝ちきれぬ現実に潜む、自分たちの甘さ
「勝てるはずの試合だった」ーー試合後、そう感じた者は少なくなかっただろう。
味の素フィールド西が丘での初のホームゲーム第9節・日立ビルシステム戦は、連勝の流れを掴む絶好の舞台となるはずだった。しかし、結果は1-1のドロー。これまで以上の熱い声援を背に、前節に続く勝利を掴むことができず、連勝への道は再び足踏みすることとなった。
渋谷はフォーメーションを[3-1-4-2]から[4-2-3-1]へ変更。前線と中盤の連動性を高める意図が見えたが、右サイドで積極的にチャンスを演出した佐藤蒼太は試合をこう振り返る。
「前半の入りはそこまで悪いとは感じていなかったが、失点したシーンから、『また勝ちきれないかもしれない』という雰囲気がチームに流れてしまった。自分たちで悪い流れを作ってしまった内容だった」
問題のシーンは前半25分。相手のフリーキックからファーサイドであっさりと合わせられ、先制点を献上。守備での連携ミス、特にカバーの遅れが続いた流れがこの失点を招いた。ここ最近、崩されての失点というよりも、集中力やポジショニングのミスが目立っているのは気がかりな点だ。
攻撃面では、鈴木友也を起点に縦パスを通す展開が機能していた。特にオープンな局面では鈴木の持ち味が生きる。一方で、中盤と前線の距離が近くなりすぎたことで、相手に狙いを読まれる場面も多かった。また、中盤の土田直輝と本田憲弥のコンビも、ややアンバランスな印象がある。攻守に顔を出す土田、ハードワークが特徴の本田。噛み合いそうでいて、全体の統率という点では課題も残る。キャプテンである土田がもう一段階、ゲームコントロールに軸足を置く必要があるだろう。
またセットプレーも単調であり、ターゲットが鈴木に集中。同じパターンが繰り返されることで相手に対応されやすくなった。キックの精度を高め、他の選手を活かすバリエーションが求められる。
後半、交代カードで流れを引き戻すことには成功した。80分、小関陽星が左足で叩き込んだ同点弾は、宮坂拓海、渡邉千真と交代選手3人が絡んだ会心のゴールだった。
しかし、その後は山出旭が負傷によって一時ピッチを離れると、再び主導権が相手に傾く。このとき、すでに交代枠を使い切っていたこともあり、采配のタイミングや構成には一考の余地がある。特に、ここ最近の気温の高さの疲労で、試合終盤に失速する傾向が続いている現状を踏まえると、交代戦略に余白を残すことも必要だ。
渋谷が目指すサッカーは、ポゼッションを軸としたテンポのある攻撃だ。その中で、緩急つける時間やペース配分、そして駆け引きのクレバーさを身につけることが、次なる勝利の鍵となる。
後半途中出場した渡邉千真は、「失点を減らすことと、攻撃では相手に合わせず自分たちの流れや形をもっと出して、相手ゴールに迫るような攻撃をしないといけない。そうすればもっと点を取っていけるはず」とコメント。
あと一歩が、まだ遠い。その距離を縮めるためには、外に理由を探すだけではなく、自分たちの内側にある甘さと向き合う必要がある。技術だけではなく、ゲーム全体を見通す勝ち方を知ることも重要な要素なのかもしれない。
開幕戦以来の再戦。いざ、リーグ後半戦へ
明日の相手は、ヴェルフェ矢板。開幕戦では、試合終了間際に水野智大が決めた執念の同点弾で、なんとか勝ち点1を拾い、関東リーグの洗礼を浴びた船出となった。
あれから約3か月。シーズンの折り返し地点を迎え、現在渋谷は勝ち点13で3位と上位に位置し、2位との差もわずか2ポイントにまで縮めている。明日のAGFフィールドは、またしてもチームにとって“初”となるホームゲームの舞台だ。ここで得られる熱い声援は、選手たちの背中を押す大きな力になるだろう。
一方で、ヴェルフェ矢板も前節での勝利で勢いを増し、今シーズンは順位こそ7位ながら勝ち点差は3にとどまり、決して侮れない存在だ。後半戦の幕開けを飾る一戦は、昇格争いの流れを大きく左右する重要な意味を持つ。
渋谷は開幕戦で見せた粘りと勝負強さで、明日のAGFフィールドでのホームの声援を力に変えたいところ。対するヴェルフェも勢いに乗り、一気に順位を押し上げるべく気合いは十分だ。
いよいよ始まる後半戦。前節はホームでの熱を結果へと結実しきれなかった渋谷だが、再び迎える注目の舞台で逆襲の狼煙をあげる。

PLAYER'S COMMENTS - 試合前 選手コメント -
11 本田憲弥 / MF
ーーここ数試合は勝ちきれていない試合が続くが、その要因はどこにあると思うか
今年は失点が多いので、自分が出たときはゼロでおさえるのを意識していたが、なかなか難しいところではある。相手から綺麗に崩されるのはそんなにないような気がするので、本当にちょっとした部分だと思う。試合になると難しいが、突き詰めていかないと勝てないので集中してやっていきたい。
ーー中盤での土田とのコンビの相性や手応えは
つっちー(土田)とはずっとやってきているので、喋らなくてもお互いやりたいことは大体わかっているのでやりやすさはある。自分が守備をメインでやるので、つっちーには攻撃を重視してやってもらいたいという気持ちはある。
ーー明日は開幕戦でも戦ったヴェルフェ矢板との試合。後期に向けての意気込みを
失点しないことが一番だが、取られてしまったら仕方ない。自分たちのやることをやればチャンスはあるし、点は取れると思うので、これ以上失点しないことを意識したい。
だいぶやることもわかってきてチームとしてもまとまりつつあると思う。ここで勝って、後期は勢いに乗っていきたい。

7 水野智大 / MF
ーー前節は決して内容は悪くはなかったと思うが、それでも勝ちきれない要因はどこにあるか
チームでやりたいことは練習で落としこめているし、間違ってはいないと思う。でも、自分たち含め、相手のゴール前で体を張ったり、飛び込んだりなど、そういう細かいプレーが少ない。球際やスローインのすごく細かいところも、ピッチだと11人、ベンチ含めると18人、一人ひとりがもっとチームのために勢いをもってやれればいいが、その勢いが今はあまりないかなと思う。
ーー自分たちのミスでやられているということか
自分たちは仲間なので、ミスをしてもポジティブにやればいいところを、ちょっと雰囲気が悪く、誰かのせいにしている気がする。その意識はないとは思うが、ちょっとした隙というか、もう少しチームとしてひとつになれれば勝てると思うし、ひとつ勝てればその感覚をみんなで掴んで勝ち続けられると思うので、明日はそれを掴む一試合にしたい。
ーー開幕戦から約3ヶ月。チームしての成長した部分や成熟度はどうか
勝ったり負けたり引き分けたり、いろんなシチュエーションの試合をした中で、自分たちがうまくいったときもいかなかったときも、みんなでそれなりに向き合って9試合戦えたというのは、意識的に学べた部分もあるし、無意識的にいろんなことを体で学べている部分はあると思う。
成熟度でいくと、今までのシーズンでは負けたり引き分けたりすることはなかったと思うので、そういう意味ではチームとして修正することは増えたのかなと思う。負けや引き分けを自分たちで受け止め、それを練習で変えようと思って戦ってきたので、今は難しい戦いとしているが、それは事実であり自分たちの実力だと認めてきた。そうやって前に進めているのはポジティブな要素だと思うので、残り9試合巻き返したい。
ーー明日からリーグ後期が始まるが、どんなプレーで魅せていきたいか
僕は9試合戦ったなかでも、3試合スタメンで、3試合ベンチで、3試合出てなかったので、後期は全試合絡んでいきたい。前半戦は自分が点を取ってるし、後半戦も自分がもっと点を取って勝ちたい思いが強くある。
ーーファン・サポーターにメッセージを
ファン・サポーターの方々もワクワクして会場に来てくださると思うので、心に残る試合を、全員が身体で表現したいと思う。ピッチでしか表現できない部分もあるので、体を張る部分や球際の部分は誰よりも僕が率先するので、心を動かしていきたい。

BOSS'S COMMENTS - 試合前 監督コメント -
増嶋竜也 / 監督
ーー前節を振り返って
本当に死に物狂いでクリアする気持ちがあったのか、チームとして隙がなかったのか、0-0の状態で自分たちから崩れていってしまうのは、今年の課題なのかなと思う。
ーー交代枚数を使い切るのが早い気もしたが、どう振り返るか
負けてる状態で点を取りにいくっていうところで交代枠を早く使いたい思いがあったので、そこに後悔はないし、もう一回やっても同じことをしたと思う。あとは戦い方というところを、ビハインドからスタートするところを直さなくてはいけない。
試合になると相手もいろんな戦いを考えて挑んできたなかで、9試合やって全体の戦い方は整理されてきたと思う。こういう戦い方もありかなというものをこの1週間落としこんできたので、それが明日の試合でどうできるか楽しみ。
ーー明日の試合への意気込み
たくさんのサポーターも来てくれると思うし、今まで通りの戦い方ではない戦いをすると決めてこの1週間やってきたので、その姿が見せれればいいなと思う。
なかなかできる会場ではないと思うし、前回は情けない試合をしてしまったので、今回こそは結果として皆さんと喜び合えるようにやっていきたい。

GAME REVIEW - 試合記録 -
リーグ後半戦の幕開けは、渋谷にとって新たなホーム、AGFフィールドでの一戦。夏の熱気に相応しい快勝で、後半戦への手応えを感じさせるような内容であった。
試合前日、増嶋監督は「こういう戦い方もありかなというものをこの1週間落としこんできたので、それが明日の試合でどうできるか楽しみ」とコメント。その言葉通りの意図なのか、フォーメーションを[4-2-3-1]から[4-1-2-3]へと変更。久々の先発として、左サイドバックに宮坂拓海、右の位置に大越寛人、中盤の底に楠美圭史を配置した。
立ち上がりから、渋谷は落ち着いてボールをつなぎリズムを作っていく。守備では、相手の武器であるロングスローにも冷静に対応。特に相手の10番の左サイドからの攻撃にも、鈴木らが対処し決定機を作らせない。渋谷も攻撃を仕掛けるが、相手の体を張った守備に阻まれ、なかなか一筋縄ではいかない。

それでも渋谷は、宮坂が左サイドから積極的に前線へ押し上げ、コーナーキックを獲得。大越がショートコーナーからクロスをあげるが、これは相手にクリアされる。すると、相手も負けじと応戦し、ボールをつないで外から押し込む形で攻撃を試みる。28分にはスローインの流れから左サイドを崩され、中央まで持ち込まれたところでシュートを許すといった、渋谷の守備が緩んだシーンも見られた。
だが、その後は鈴木の縦パスに反応した植松が右サイドの小関へ展開。小関があげたクロスは一度相手にクリアされるが、そのこぼれ球を土田が素早く反応しシュートしたが、クロスバーの上へ。惜しい場面となったが、ゴールの予感を十分に感じさせた。

32分には敵陣での攻撃が一度クリアされるも、左サイドの宮坂が回収し中にクロスを送る。これを吉永が胸トラップし、最後は政森がそのままダイレクトシュートに持ち込むが、キーパーの好セーブに阻まれ、ネットは揺れない。その後も攻撃の手は緩まず、再び左サイドの宮坂からアーリークロスに政森が反応したが、これも相手ブロックに阻まれる。

さらに、植松が中央へ鋭い縦パスを狙って裏抜けを狙うも、タイミングがわずかに合わず。ショートパスの連動から攻撃を組み立てる姿勢は一貫していたが、ボールをつなぐ意識が強すぎたせいか、フィニッシュまで持ち込む迫力に欠ける場面も。
だが43分、ついに試合が動く。鈴木の縦パスを中央で小関が引き出し、そこから大越へ。右サイドのポケットの位置に侵入した土田が、ゴール前へクロスを供給し、そのボールに猛然と飛び込んだ植松。身体ごと押し込むような気迫のプレーで、貴重な先制ゴール。ここ数試合、先制点を奪えずに流れを手渡す展開が続いていただけに価値ある一発となった。

前半終了間際まで、植松と土田のハードワークと小関の得点を呼び込むような果敢なドリブルで攻守にわたって渋谷に流れが傾く。そのまま1-0とリードし、後半へ折り返す。
後半が始まり、渋谷はギアを緩めずテンポを上げて攻勢に出る。植松の縦パスに政森が反応するが、ファーストタッチがやや大きくなり、シュートは枠を外れる。それでも植松の執拗なプレスで相手に落ち着く時間を与えない。

52分には、土田を起点に、宮坂、吉永とのパスワークで左サイドを崩すと、土田のファーサイドにあげたクロスを小関がシュート。そのこぼれ球を吉永が押し込むも、ブロックされる。一度後ろにさげ、小関のアーリークロスに政森が頭で合わせるが、こちらもキーパーに阻まれる。
そんな中、待望の追加点は57分に訪れる。右サイドでボールを受けた小関が中へドリブルで切り込み、宮坂から鈴木へつなぐ。さらにポケットの位置に入り込んだ小関が冷静にクロスを入れるとクリアされるが、そのボールを土田が競り勝ち、政森が粘り強くキープ。エリア内で、小関が相手をかわしながら左足でシュート。そのわずかなこぼれを最後は大越が押し込み、追加点。大越にとっては今季初ゴールとなった。

2点目を奪った後も、植松の推進力で相手陣内を切り裂く姿勢が攻撃にさらなる勢いを与える。直後のスローインの流れからは、小関が巧みにボールを収め、再び植松が鋭く仕掛けてシュートに持ち込むなど、攻撃の手は一切緩まない。
その勢いに呼応するように、渋谷は波状攻撃を続け、リードを広げにかかる。相手も反撃に転じようと、まずは1点を返すべく前がかりになるが、そのスペースを狙い、渋谷はさらに相手を突き崩しにかかる。
中でも土田、植松、小関の前線からのプレッシングは、試合時間が進む中でも衰えを見せず、相手に自由を与えない。攻守の切り替えが早く、組織的な守備も綻びを見せない。

67分には、大越に代わって佐藤、楠美に代わって本田を投入。相手がカウンターを狙った局面では、一瞬ヒヤリとする場面もあったが、岩沼が抜群の読みでコースに入り、完璧なカバーリングを見せて難を逃れた。ベテランの冷静な対応が、チームのリズムを崩さずに保ち続ける。

試合終盤に向かっても、渋谷の集中は切れず、相手のセットプレーには鈴木が確実に対応し、要所での守備に安定感をもたらす。攻守に渡る気の利いた仕事が、存在感を際立たせる。
その後、77分には政森に代わって渡邉千真、吉永に代わって水野を投入。攻撃のギアを落とすどころか、さらなる勢いを加える交代策だった。
79分には、宮坂が左サイドからファーサイドにボールを送ると、小関が狙いすましたシュート。しかしこれはブロックに遭い、ネットは揺れず。ここは小関の得意とするカットインが見たかったという惜しさが残った。
82分には、小関のキックから渡邉が力強くヘディングで合わせるが、枠を捉えきれず。続く84分、積田の正確なゴールキックから宮坂が競り勝ち、そのセカンドボールを水野が左サイドで拾って鋭いクロスをファーサイドへ送る。小関がシュートを放ち、コーナーキックを獲得。
このコーナーの流れから、こぼれ球を拾った小関がポケットの位置で仕掛けると、逆サイドから入ってきた水野がマイナスの折り返し。待っていた鈴木がダイレクトで狙うも、相手GKの好セーブに阻まれる。だが、攻撃のテンポは止まらない。
そして87分、渋谷が試合を決定づける3点目を奪う。相手のビルドアップを中盤で土田が奪い取り、すかさず水野、本田へと繋ぎ、その縦パスを土田がワンタッチで落とすと、渡邉が抜け出す。相手DFをかわし、ゴール左隅へ左足で冷静に流し込んだ。これが渡邉にとって待望の今季初ゴール。チームの一体感が詰まった美しい連携での一撃だった。

アディショナルタイムは4分。渋谷は最後まで攻撃の手を緩めず、フリーキックの流れから鈴木がヘディングで追加点を狙う。集中を切らすことなく守備陣も踏ん張り、そのまま試合終了の笛。久々の複数得点に加え、今季初となるクリーンシートも記録した。
次節の相手は東京国際大学FC。前期は2点のリードを奪いながら、3失点で逆転負けを喫した相手だ。あの日の悔しさを晴らす舞台は整った。連勝へ、そしてリベンジへ。渋谷の勢いは、ここからさらに加速していく。
