
KICK OFF |
8:00
大胡総合運動公園陸上競技・サッカー場


SHIBUYA CITY FC

tonan前橋
1
0
2025シーズン 関東サッカーリーグ2部
2025年8月30日
GAME RESULT
GAME REPORT
GAME PREVIEW - 試合前情報 -
いざ、5連勝へ
期待を結果に変えた新戦力。「次は自分が」と、止まらぬゴールへの飢え
AGFフィールドで行われた第13節COEDO KAWAGOE F.C戦。一昨年の関東昇格戦で喫した敗北、そして今季前期の悔しいドローゲームでの鬱憤を晴らす、価値ある勝利を収めた。
この試合で主役となったのが、新加入FW宮川瑞希だ。厚木はやぶさFCから加入してわずか1週間で初先発のチャンスを掴むと、臆することなく躍動。持ち味であるドリブルで左サイドを幾度も突破し、豊富な運動量は後半42分まで衰えることがなかった。結果として2アシストを記録し、鮮烈なインパクトを残した。
前半の立ち上がりこそ、新天地での呼吸を合わせ切れず、仕掛けのタイミングや裏抜けの動きで嚙み合わない場面も散見された。中央を締める相手の守備もあり、思うように持ち味を発揮できず試合は進み、スコアレスで前半を折り返した。
そんな中、ピッチを後にする宮川に声をかけていたのが三原雅俊コーチだ。宮川はそのやり取りについて、「自分があまりボールを受けれていないことを伝えたら、(小関)陽星がボールを持ったときに中に入るばかりじゃなくて、ニアが間に合っていなかったら広がって受けてもチャンスになるから、どんどん広がって受けてもいいよと言われた。
ハーフタイムでの話し合いでも、中に裏抜けてボールをもらえないよりは、広がって受けた方が良い場面もあるからと言われて、後半はボールを受けることを意識した」と語った。
その修正は、すぐに結果として表れる。後半開始3分、土田直輝のパスを受けた宮川が左サイドからクロスを送ると、植松亮がゴール前で合わせて先制点を奪取。さらに同14分には、CKのキッカーを務めた宮川が正確なボールを送り込むと岩沼俊介が頭で叩き込み、リードを広げた。
アシストを受けた岩沼は、「自分は練習では全然決められていなかったが、狙う位置は決めていた。あとは(宮川が)良いボールを蹴ってくれたので、触ったら入ったという感じだった」と、笑顔を見せながら宮川を称賛した。
さらに守備陣として今季初ゴールを記録したことに対しては、「去年もCKから2点決めているので大体年1ぐらいのペースだが、やっと決めれて嬉しかった」と、はにかみながら喜びをあらわにした。
その後も渋谷は勢いを緩めず、試合終了間際では途中出場の水野智大がダメ押しの3点目。完封勝利で中断初戦を飾り、チームは4連勝と完璧なスタートダッシュを切った。
そして、この日のMVPに輝いたのはやはり宮川だ。「2アシストできて、何よりチームが勝利できてよかった」と白い歯を見せつつも、自らに課す基準はまだまだ高い。「一つ言うのであれば、僕が最後の場面で点を取らないとダメだと思っている。そこは次の試合に向けて1週間で直して、次は自分が絶対に点をとってチームを勝たせたい」と、さらなる飛躍を誓った。
首位との直接対決を前に、勢いを加速させられるか。守り抜く2位の座
明日は第14節、大胡総合運動公園陸上競技・サッカー場でのtonan前橋戦。現在勝ち点3差で3位につける相手との試合は激戦必至だろう。
前期の対戦は、雨天の難しいピッチコンディションの中で渋谷が主導権を握った。後半10分に小関陽星が先制点を奪い、同27分には政森宗治が追加点。終盤に1点を返されたが、2-1と勝利を収めている。
だが、今節も容易な戦いにはならない。tonan前橋には現在リーグ得点ランキング1位(10得点)のFW齋藤雄大が控える。前節でもネットを揺らしたストライカーをどう封じ込めるか、ディフェンスラインの隙の無さと辛抱強さが試される。
一方で、首位を走るEDO ALL UNITEDは、前節では日立ビルシステムを相手に1-0で勝利。渋谷との勝ち点差は依然として縮まらず、追走する立場としても取りこぼしは許されない状況が続く。
そんな中、地元・前橋市出身の岩沼は特別な思いを胸に、明日の一戦に挑む。「前期は勝てている相手。しかも自分にとっては地元のチームでもあるので、しっかり群馬で勝ちたい」と力強く語った。
ここで勝てば5連勝。勢いをさらに加速させ、首位を射程圏内に捉えきれるか。首位との直接対決を前に迎える、正念場の90分が始まる。

PLAYER'S COMMENTS - 試合前 選手コメント -
7 水野智大 / MF
ーー前節は途中出場でゴール。試合終盤で決めきるプレーが目立つが、自分の中でも強みにできている手応えはあるか
今回の試合に関しては2-0でリードしていた状態で、マスさん(増嶋監督)からは「とにかく試合を勝たせてくれ。内側を締めて守備から入ろう、ブロックを組んで戦おう」という話の中で入りました。その中でチームとしてやらなきゃいけないことはマストでやりつつ、自分の中では絶対に点を取ると決めていたので、それが結果になりました。
ーー結果を残しているという部分で、モチベーションや心持ちに変化は
積み上げてきたものがずっとあるので、試合に出れたら活躍できる自信はあります。もちろん、少しの時間しか出られていない悔しい気持ちはあるんですけど、ピッチに立って結果を出すしかチャンスはまわってこないと思っています。そこで、試合に出た・出れなかった、良かった・悪かったと一喜一憂しなくなったのは、この2年間くらいで大きく変わってきた感覚ですね。
ーーやはり途中出場からではなく先発として出場したい中で、「ここはもっと」というプレーや思いはあるか
自分は前からハードワークして、チームの前向きな矢印を作ることが守備でもできるし、攻撃の中でもかき乱して相手のポケットを取って走ることができると思っています。それを最初から出てやりたい気持ちは強いですけど、マスさん(増嶋監督)が話した中で、途中からピンポイントで勢いをつけてほしいという意図もあるので、今のチームの最適を考えたときに自分の役割を徹することが昇格に近いのであれば仕方ないのかなとは思いつつ、90分で出たい思いはもちろんありますよ。
ーー前期12試合を踏まえて、自分のパフォーマンスを振り返ったときに、どこを伸ばしていきたいか
特に今年はパフォーマンスを維持、向上しながらシーズンを戦えているところはあります。ただラストのゴール前のクオリティは、僕が入ったらアシストもしくは点が入る、そのアシストの前のプレーが増えるっていうところは、もう少し自分の中での課題だと思っています。
ーー現在4連勝と波に乗っているなかで、明日含めて残り5試合への意気込みを
残り5試合なんですけど、1試合1試合いろんな状況がある中で、とにかく目の前の試合に集中しつつ、90分で勝つというところはすごく意識したい部分ではあります。今まで自分たちが積み上げてきたものもあるんですけど、その中でうまくいかないときこそ、僕が力を発揮して、チームを救いたいです。

36 吉永昇偉 / MF
ーー前節は3-0と勝利したが、あと一歩の場面が多いように感じられた。最後決めきるために必要なことは何だと感じているか
試合をこなしていくにつれて、チームとしてゴール前のチャンスが増えている中で、クロスの質も上がってきていますし、そういったところで僕含め前線の選手が決めないと、後々苦しいと思います。マスさん(増嶋監督)は練習でもシュート練習を多く取り込んでくれるので、そこをこだわってやっていくことが大事だと思います。
ーー宮川選手が先発として出場して、前線のフォーメーションにも変化があったが手応えはどうだったか
FWは愛媛の時に少しやったくらいだったので久々にFWをやって楽しかったですし、ただ起点になることはできてましたけど、ゴールにつながるプレーはできなかったのでそこはこだわっていきたいと思います。FWが1点取るだけでもチームは変わっていくと思うので、そこは僕とときくん(政森宗治)が一つひとつのプレーにこだわっていくことが大事なのかなと思います。
ーー6月に期限付きで移籍してきて約2か月が経ったが、プレー面や精神面での変化はあるか
最初からみんなが温かく迎えてくれたので、自分は新加入という感じがしなくて。上手く溶け込めさせてくれて、長い間一緒にサッカーやってきたような感覚でプレーできているのは本当にいいことだと思います。そういった中で勝ち続けているのはメンバー外の選手の支えがあったりだとか、みんなで切磋琢磨できていることがすごいと思うので、どんどん良くなっているなと感じます。
ーー攻撃陣の層も厚くなってきているなかで明日の試合を迎えるが、自分たちの攻撃や守備をどのように機能させていきたいか
練習でやっていることをやれば、間違いなく自分たちの方が得点のチャンスも多く、うまくゲームを進められると思います。自分は1試合に1点は取ってチームを楽にさせたいと思いますし、ロングボールに対して体を張ってボールをキープできれば自分たちの流れに持っていけると思うので、チームのためにプレーしたいです。
今までやってきたことを続けて、ゴール前の一つひとつのプレーにこだわっていけば後ろがゼロで抑えてくれると思うので、1-0、2-0などの均衡した試合ではなく、どんどん3点、4点取れるチームだと思うので、そこはみんなでこだわっていきたいです。

BOSS'S COMMENTS - 試合前 監督コメント -
増嶋竜也 監督
ーー前節は3-0の勝利を収めたなかで、前期での対戦よりさらに良い内容だったと思うが、どのように振り返っているか
今年一番良かったんじゃないですか。ゲームプランとしてもゲーム運びも、「まだまだやってくれるはず」という、見ていて楽しかった。
ーー2点目は、ようやくセットプレーから点が取ることができたが
そうですね。セットプレーから点を取れると、相手に与えられるダメージは結構大きくて。流れで崩されるよりかはダメージが大きいぶん、今年はセットプレーから点を取れていなかったから、「なんでだろう」と思っていたけれど、(宮川)瑞希が加入して、(小関)陽星もキックできるし、右と左でキックできる選手がいるってことは、セットプレーで可能性を感じてきている一つの要因なのかなと思います。
ーー宮川選手は2アシストという結果を残したが、加入して約1週間で先発に選んだ理由は
練習から良かったですし、(吉永)昇偉を1トップで使いたかったときにちょうど(宮川)瑞希が加入して、左で使えるのかなと思ったので。でも一番の理由は昇偉を1トップで使いたかったことですね。
ーー後半は押し込まれる展開で、ああいう隙は今後も起こりうることだと思うが、どのように対策していきたいか
90分やっていれば流れが悪い時間帯はあるけど、その中でもみんなで守ってもう1点取りにいくことはできていたので、悪い時間帯に耐え抜くのは良かったのではないかと思います。
ーー明日の試合で勝てば5連勝だが、現在首位のEDO ALL UNITEDの直接対決も控えている中で、どう臨んでいきたいか
まだEDOのことは考えなくていいと思います。我々が昇格するために、連勝すればするほど自信をつけている印象がありますし、「こうやったら勝てる、負けない」というのが出ているので、勢いや自信を次の試合でも示していければいいのかなと思います。

GAME REVIEW - 試合記録 -
大野工業大胡総合運動公園陸上競技・サッカー場で迎えた、第14節・tonan前橋戦。2位の渋谷と3位の前橋の上位対決は、昇格争いの行方を占う6ポイントゲームとなった。
渋谷の先発は前節と同じ布陣で臨んだ。前節での勝利を経て、安定感あるメンバー構成で挑んだ一方で、サブメンバーには久々のメンバー入りとなった渡邉尚樹と、青木友佑が入った。
前半の立ち上がりは、渋谷らしくボールをつなぐ展開に。相手の守備もそれほど強度が高くなく、右サイドの大越寛人の対人守備も光り、落ち着いた入りを見せた。
だが、8分には相手のCKからの流れで右サイドへと展開されると、球際やセカンドボールで後手に回る場面が増え、相手に流れを渡す展開に。それでも17分には、渋谷が右サイドから攻撃を仕掛け、こぼれ球を拾った鈴木友也が植松亮へとつなぎ、シュートに持ち込む。惜しくもゴール左に逸れたが、決定機を作り出した。

さらに30分には、ロングボールを吉永昇偉が競り、そのこぼれ球に反応した宮川瑞希が鋭いシュートを放つも、これは右に外れる。
何度も攻撃を仕掛けるが、32分にアクシデントが発生。宮坂拓海がボールに足を伸ばした際に負傷し、ピッチに倒れ込む。プレー続行は不可能となり、坪川潤之が投入された。
たがその後も渋谷は集中を切らさず、右サイドから小関がカットインで切り込み攻撃を展開。40分には大越がポケットを突いてCKを獲得する。小関が送ったボールは相手にクリアされたものの、2本目のCKを獲得。ゴールを狙ったが、これは相手の堅守に阻まれた。
迎えた前半終了間際、渋谷に好機が訪れる。46分に、右サイドで吉永が逆サイドへと展開し、宮川がボールを受ける。後方から駆け上がってきた坪川に預けると、打とうとしたところを相手にクリアされる。だが、そのこぼれ球に反応した宮川が迷わず左足で振り抜き、ゴール右隅に突き刺した。前節の2アシストを残した新戦力が、この日は先制弾で、渋谷での初ゴールという結果を残した。

1-0とリードして前半を折り返した渋谷。後半の立ち上がりもアグレッシブに仕掛ける。開始2分には植松が思い切りよくシュートを放ち、直後にはCKを獲得した相手が精度の高いボールをゴール前に送るが、これを鈴木が冷静にクリアする。
その後も渋谷が攻勢に回り、相手に阻まれても本田憲弥や坪川が素早く回収し、前線へとボールを供給。本田自身も裏抜けのタイミングをうかがい、攻撃に厚みを加える。
55分には小関、大越、土田の連携からCKを獲得。小関のショートコーナーから最後は植松のプレーで再びCKを獲得すると、キッカーの宮川が正確なボールを供給。これを吉永が打点の高いヘディングで合わせたが、わずかに左へ外れ、追加点とはならなかった。
押し気味に試合を進める渋谷だが、最後の精度を欠き、決定機には至らない。だが、大越が冷静にボールを奪い返し、本田も体を張った守備で相手の反撃を防ぐ。さらに前線では、吉永と植松が激しくプレスをかけ、相手に自由を与えない。

70分には相手に左サイドを攻め込まれるが、大越が落ち着いた守備で対応。直後の73分には渋谷が動き、小関に代えて水野智大、吉永に代えて政森宗治を投入する。
後半30分が過ぎると、大越が相手の狭いポケットの位置まで侵入しクロスを供給。さらに、鈴木や坪川が前線にボールを送り込むが、なかなか最後の場面で決めきることができない。
是が非でも追加点が欲しい渋谷は、82分に宮川に代えて河波櫻士、土田に代えて楠美圭史を送り込み、攻撃の活性化を図る。その後は相手のカウンターからの流れを許すが、これを水野が決死の守備で食い止め、ピンチを防ぐ。

87分には相手のペースで攻撃を受ける時間帯となったものの、渋谷の守備陣が人数をかけて対応し、集中を切らさずにゴール前を固める。そこから渋谷がカウンターに持ち込むも、すぐに相手の反撃を受ける展開に。だが、植松が体を張ってボールを奪い、ピンチの芽を摘んだ。
試合終了間際、このまま逃げ切りたい渋谷は本田が相手コーナー付近へボールを送る。これを植松が巧みにボールをキープし、時間を使い切ったところで試合終了のホイッスル。
1-0で勝利した渋谷は、これで見事5連勝。今季4度目のクリーンシートを達成し、昇格圏内の2位を死守した。
次節は1週間後、9月7日(日)に行われる第15節・EDO ALL UNITED戦。首位を走り続ける因縁の相手に対し、渋谷は前期の雪辱を果たすべく挑む。

GAME HIGHLIGHTS - 試合ハイライト -
PLAYER'S INTERVIEWS - 試合後 選手インタビュー -
GAME PREVIEW - 試合前情報 -
いざ、5連勝へ
期待を結果に変えた新戦力。「次は自分が」と、止まらぬゴールへの飢え
AGFフィールドで行われた第13節COEDO KAWAGOE F.C戦。一昨年の関東昇格戦で喫した敗北、そして今季前期の悔しいドローゲームでの鬱憤を晴らす、価値ある勝利を収めた。
この試合で主役となったのが、新加入FW宮川瑞希だ。厚木はやぶさFCから加入してわずか1週間で初先発のチャンスを掴むと、臆することなく躍動。持ち味であるドリブルで左サイドを幾度も突破し、豊富な運動量は後半42分まで衰えることがなかった。結果として2アシストを記録し、鮮烈なインパクトを残した。
前半の立ち上がりこそ、新天地での呼吸を合わせ切れず、仕掛けのタイミングや裏抜けの動きで嚙み合わない場面も散見された。中央を締める相手の守備もあり、思うように持ち味を発揮できず試合は進み、スコアレスで前半を折り返した。
そんな中、ピッチを後にする宮川に声をかけていたのが三原雅俊コーチだ。宮川はそのやり取りについて、「自分があまりボールを受けれていないことを伝えたら、(小関)陽星がボールを持ったときに中に入るばかりじゃなくて、ニアが間に合っていなかったら広がって受けてもチャンスになるから、どんどん広がって受けてもいいよと言われた。
ハーフタイムでの話し合いでも、中に裏抜けてボールをもらえないよりは、広がって受けた方が良い場面もあるからと言われて、後半はボールを受けることを意識した」と語った。
その修正は、すぐに結果として表れる。後半開始3分、土田直輝のパスを受けた宮川が左サイドからクロスを送ると、植松亮がゴール前で合わせて先制点を奪取。さらに同14分には、CKのキッカーを務めた宮川が正確なボールを送り込むと岩沼俊介が頭で叩き込み、リードを広げた。
アシストを受けた岩沼は、「自分は練習では全然決められていなかったが、狙う位置は決めていた。あとは(宮川が)良いボールを蹴ってくれたので、触ったら入ったという感じだった」と、笑顔を見せながら宮川を称賛した。
さらに守備陣として今季初ゴールを記録したことに対しては、「去年もCKから2点決めているので大体年1ぐらいのペースだが、やっと決めれて嬉しかった」と、はにかみながら喜びをあらわにした。
その後も渋谷は勢いを緩めず、試合終了間際では途中出場の水野智大がダメ押しの3点目。完封勝利で中断初戦を飾り、チームは4連勝と完璧なスタートダッシュを切った。
そして、この日のMVPに輝いたのはやはり宮川だ。「2アシストできて、何よりチームが勝利できてよかった」と白い歯を見せつつも、自らに課す基準はまだまだ高い。「一つ言うのであれば、僕が最後の場面で点を取らないとダメだと思っている。そこは次の試合に向けて1週間で直して、次は自分が絶対に点をとってチームを勝たせたい」と、さらなる飛躍を誓った。
首位との直接対決を前に、勢いを加速させられるか。守り抜く2位の座
明日は第14節、大胡総合運動公園陸上競技・サッカー場でのtonan前橋戦。現在勝ち点3差で3位につける相手との試合は激戦必至だろう。
前期の対戦は、雨天の難しいピッチコンディションの中で渋谷が主導権を握った。後半10分に小関陽星が先制点を奪い、同27分には政森宗治が追加点。終盤に1点を返されたが、2-1と勝利を収めている。
だが、今節も容易な戦いにはならない。tonan前橋には現在リーグ得点ランキング1位(10得点)のFW齋藤雄大が控える。前節でもネットを揺らしたストライカーをどう封じ込めるか、ディフェンスラインの隙の無さと辛抱強さが試される。
一方で、首位を走るEDO ALL UNITEDは、前節では日立ビルシステムを相手に1-0で勝利。渋谷との勝ち点差は依然として縮まらず、追走する立場としても取りこぼしは許されない状況が続く。
そんな中、地元・前橋市出身の岩沼は特別な思いを胸に、明日の一戦に挑む。「前期は勝てている相手。しかも自分にとっては地元のチームでもあるので、しっかり群馬で勝ちたい」と力強く語った。
ここで勝てば5連勝。勢いをさらに加速させ、首位を射程圏内に捉えきれるか。首位との直接対決を前に迎える、正念場の90分が始まる。

PLAYER'S COMMENTS - 試合前 選手コメント -
7 水野智大 / MF
ーー前節は途中出場でゴール。試合終盤で決めきるプレーが目立つが、自分の中でも強みにできている手応えはあるか
今回の試合に関しては2-0でリードしていた状態で、マスさん(増嶋監督)からは「とにかく試合を勝たせてくれ。内側を締めて守備から入ろう、ブロックを組んで戦おう」という話の中で入りました。その中でチームとしてやらなきゃいけないことはマストでやりつつ、自分の中では絶対に点を取ると決めていたので、それが結果になりました。
ーー結果を残しているという部分で、モチベーションや心持ちに変化は
積み上げてきたものがずっとあるので、試合に出れたら活躍できる自信はあります。もちろん、少しの時間しか出られていない悔しい気持ちはあるんですけど、ピッチに立って結果を出すしかチャンスはまわってこないと思っています。そこで、試合に出た・出れなかった、良かった・悪かったと一喜一憂しなくなったのは、この2年間くらいで大きく変わってきた感覚ですね。
ーーやはり途中出場からではなく先発として出場したい中で、「ここはもっと」というプレーや思いはあるか
自分は前からハードワークして、チームの前向きな矢印を作ることが守備でもできるし、攻撃の中でもかき乱して相手のポケットを取って走ることができると思っています。それを最初から出てやりたい気持ちは強いですけど、マスさん(増嶋監督)が話した中で、途中からピンポイントで勢いをつけてほしいという意図もあるので、今のチームの最適を考えたときに自分の役割を徹することが昇格に近いのであれば仕方ないのかなとは思いつつ、90分で出たい思いはもちろんありますよ。
ーー前期12試合を踏まえて、自分のパフォーマンスを振り返ったときに、どこを伸ばしていきたいか
特に今年はパフォーマンスを維持、向上しながらシーズンを戦えているところはあります。ただラストのゴール前のクオリティは、僕が入ったらアシストもしくは点が入る、そのアシストの前のプレーが増えるっていうところは、もう少し自分の中での課題だと思っています。
ーー現在4連勝と波に乗っているなかで、明日含めて残り5試合への意気込みを
残り5試合なんですけど、1試合1試合いろんな状況がある中で、とにかく目の前の試合に集中しつつ、90分で勝つというところはすごく意識したい部分ではあります。今まで自分たちが積み上げてきたものもあるんですけど、その中でうまくいかないときこそ、僕が力を発揮して、チームを救いたいです。

36 吉永昇偉 / MF
ーー前節は3-0と勝利したが、あと一歩の場面が多いように感じられた。最後決めきるために必要なことは何だと感じているか
試合をこなしていくにつれて、チームとしてゴール前のチャンスが増えている中で、クロスの質も上がってきていますし、そういったところで僕含め前線の選手が決めないと、後々苦しいと思います。マスさん(増嶋監督)は練習でもシュート練習を多く取り込んでくれるので、そこをこだわってやっていくことが大事だと思います。
ーー宮川選手が先発として出場して、前線のフォーメーションにも変化があったが手応えはどうだったか
FWは愛媛の時に少しやったくらいだったので久々にFWをやって楽しかったですし、ただ起点になることはできてましたけど、ゴールにつながるプレーはできなかったのでそこはこだわっていきたいと思います。FWが1点取るだけでもチームは変わっていくと思うので、そこは僕とときくん(政森宗治)が一つひとつのプレーにこだわっていくことが大事なのかなと思います。
ーー6月に期限付きで移籍してきて約2か月が経ったが、プレー面や精神面での変化はあるか
最初からみんなが温かく迎えてくれたので、自分は新加入という感じがしなくて。上手く溶け込めさせてくれて、長い間一緒にサッカーやってきたような感覚でプレーできているのは本当にいいことだと思います。そういった中で勝ち続けているのはメンバー外の選手の支えがあったりだとか、みんなで切磋琢磨できていることがすごいと思うので、どんどん良くなっているなと感じます。
ーー攻撃陣の層も厚くなってきているなかで明日の試合を迎えるが、自分たちの攻撃や守備をどのように機能させていきたいか
練習でやっていることをやれば、間違いなく自分たちの方が得点のチャンスも多く、うまくゲームを進められると思います。自分は1試合に1点は取ってチームを楽にさせたいと思いますし、ロングボールに対して体を張ってボールをキープできれば自分たちの流れに持っていけると思うので、チームのためにプレーしたいです。
今までやってきたことを続けて、ゴール前の一つひとつのプレーにこだわっていけば後ろがゼロで抑えてくれると思うので、1-0、2-0などの均衡した試合ではなく、どんどん3点、4点取れるチームだと思うので、そこはみんなでこだわっていきたいです。

BOSS'S COMMENTS - 試合前 監督コメント -
増嶋竜也 監督
ーー前節は3-0の勝利を収めたなかで、前期での対戦よりさらに良い内容だったと思うが、どのように振り返っているか
今年一番良かったんじゃないですか。ゲームプランとしてもゲーム運びも、「まだまだやってくれるはず」という、見ていて楽しかった。
ーー2点目は、ようやくセットプレーから点が取ることができたが
そうですね。セットプレーから点を取れると、相手に与えられるダメージは結構大きくて。流れで崩されるよりかはダメージが大きいぶん、今年はセットプレーから点を取れていなかったから、「なんでだろう」と思っていたけれど、(宮川)瑞希が加入して、(小関)陽星もキックできるし、右と左でキックできる選手がいるってことは、セットプレーで可能性を感じてきている一つの要因なのかなと思います。
ーー宮川選手は2アシストという結果を残したが、加入して約1週間で先発に選んだ理由は
練習から良かったですし、(吉永)昇偉を1トップで使いたかったときにちょうど(宮川)瑞希が加入して、左で使えるのかなと思ったので。でも一番の理由は昇偉を1トップで使いたかったことですね。
ーー後半は押し込まれる展開で、ああいう隙は今後も起こりうることだと思うが、どのように対策していきたいか
90分やっていれば流れが悪い時間帯はあるけど、その中でもみんなで守ってもう1点取りにいくことはできていたので、悪い時間帯に耐え抜くのは良かったのではないかと思います。
ーー明日の試合で勝てば5連勝だが、現在首位のEDO ALL UNITEDの直接対決も控えている中で、どう臨んでいきたいか
まだEDOのことは考えなくていいと思います。我々が昇格するために、連勝すればするほど自信をつけている印象がありますし、「こうやったら勝てる、負けない」というのが出ているので、勢いや自信を次の試合でも示していければいいのかなと思います。

GAME REVIEW - 試合記録 -
大野工業大胡総合運動公園陸上競技・サッカー場で迎えた、第14節・tonan前橋戦。2位の渋谷と3位の前橋の上位対決は、昇格争いの行方を占う6ポイントゲームとなった。
渋谷の先発は前節と同じ布陣で臨んだ。前節での勝利を経て、安定感あるメンバー構成で挑んだ一方で、サブメンバーには久々のメンバー入りとなった渡邉尚樹と、青木友佑が入った。
前半の立ち上がりは、渋谷らしくボールをつなぐ展開に。相手の守備もそれほど強度が高くなく、右サイドの大越寛人の対人守備も光り、落ち着いた入りを見せた。
だが、8分には相手のCKからの流れで右サイドへと展開されると、球際やセカンドボールで後手に回る場面が増え、相手に流れを渡す展開に。それでも17分には、渋谷が右サイドから攻撃を仕掛け、こぼれ球を拾った鈴木友也が植松亮へとつなぎ、シュートに持ち込む。惜しくもゴール左に逸れたが、決定機を作り出した。

さらに30分には、ロングボールを吉永昇偉が競り、そのこぼれ球に反応した宮川瑞希が鋭いシュートを放つも、これは右に外れる。
何度も攻撃を仕掛けるが、32分にアクシデントが発生。宮坂拓海がボールに足を伸ばした際に負傷し、ピッチに倒れ込む。プレー続行は不可能となり、坪川潤之が投入された。
たがその後も渋谷は集中を切らさず、右サイドから小関がカットインで切り込み攻撃を展開。40分には大越がポケットを突いてCKを獲得する。小関が送ったボールは相手にクリアされたものの、2本目のCKを獲得。ゴールを狙ったが、これは相手の堅守に阻まれた。
迎えた前半終了間際、渋谷に好機が訪れる。46分に、右サイドで吉永が逆サイドへと展開し、宮川がボールを受ける。後方から駆け上がってきた坪川に預けると、打とうとしたところを相手にクリアされる。だが、そのこぼれ球に反応した宮川が迷わず左足で振り抜き、ゴール右隅に突き刺した。前節の2アシストを残した新戦力が、この日は先制弾で、渋谷での初ゴールという結果を残した。

1-0とリードして前半を折り返した渋谷。後半の立ち上がりもアグレッシブに仕掛ける。開始2分には植松が思い切りよくシュートを放ち、直後にはCKを獲得した相手が精度の高いボールをゴール前に送るが、これを鈴木が冷静にクリアする。
その後も渋谷が攻勢に回り、相手に阻まれても本田憲弥や坪川が素早く回収し、前線へとボールを供給。本田自身も裏抜けのタイミングをうかがい、攻撃に厚みを加える。
55分には小関、大越、土田の連携からCKを獲得。小関のショートコーナーから最後は植松のプレーで再びCKを獲得すると、キッカーの宮川が正確なボールを供給。これを吉永が打点の高いヘディングで合わせたが、わずかに左へ外れ、追加点とはならなかった。
押し気味に試合を進める渋谷だが、最後の精度を欠き、決定機には至らない。だが、大越が冷静にボールを奪い返し、本田も体を張った守備で相手の反撃を防ぐ。さらに前線では、吉永と植松が激しくプレスをかけ、相手に自由を与えない。

70分には相手に左サイドを攻め込まれるが、大越が落ち着いた守備で対応。直後の73分には渋谷が動き、小関に代えて水野智大、吉永に代えて政森宗治を投入する。
後半30分が過ぎると、大越が相手の狭いポケットの位置まで侵入しクロスを供給。さらに、鈴木や坪川が前線にボールを送り込むが、なかなか最後の場面で決めきることができない。
是が非でも追加点が欲しい渋谷は、82分に宮川に代えて河波櫻士、土田に代えて楠美圭史を送り込み、攻撃の活性化を図る。その後は相手のカウンターからの流れを許すが、これを水野が決死の守備で食い止め、ピンチを防ぐ。

87分には相手のペースで攻撃を受ける時間帯となったものの、渋谷の守備陣が人数をかけて対応し、集中を切らさずにゴール前を固める。そこから渋谷がカウンターに持ち込むも、すぐに相手の反撃を受ける展開に。だが、植松が体を張ってボールを奪い、ピンチの芽を摘んだ。
試合終了間際、このまま逃げ切りたい渋谷は本田が相手コーナー付近へボールを送る。これを植松が巧みにボールをキープし、時間を使い切ったところで試合終了のホイッスル。
1-0で勝利した渋谷は、これで見事5連勝。今季4度目のクリーンシートを達成し、昇格圏内の2位を死守した。
次節は1週間後、9月7日(日)に行われる第15節・EDO ALL UNITED戦。首位を走り続ける因縁の相手に対し、渋谷は前期の雪辱を果たすべく挑む。
