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KICK OFF | 

7:00

夢の島陸上競技場

SHIBUYA CITY FC

EDO ALL UNITED

2
1

2025シーズン 関東サッカーリーグ2部

2025年9月7日

GAME RESULT

失点

47

min

ゴール

60

min

MIZUKI MIYAGAWA

選手交代

62

min

TOKIHARU MASAMORI

SHOI YOSHINAGA

IN

OFF

選手交代

79

min

OUJI KAWANAMI

MIZUKI MIYAGAWA

IN

OFF

選手交代

79

min

TOMOHIRO MIZUNO

YOSEI OZEKI

IN

OFF

ゴール

89

min

TOKIHARU MASAMORI

選手交代

91

min

KO SHIMURA

HIROYUKI TSUBOKAWA

IN

OFF

​STARTING XI

FW

MIZUKI MIYAGAWA

10

SHOI YOSHINAGA

36

YOSEI OZEKI

77

MF

NAOKI TSUCHIDA

40

RYO UEMATSU

8

KENYA HONDA

11

DF

HIROTO OKOSHI

23

HIROYUKI TSUBOKAWA

66

SHUNSUKE IWANUMA

20

TOMOYA SUZUKI

12

GK

KEISUKE TSUMITA

17

GAME REPORT

GAME PREVIEW - 試合前情報 -

運命の頂上決戦


有言実行の一撃、新戦力が加入後初ゴール


「今日の試合は『絶対、俺が点を取る』と決めていた」


その言葉どおりの結果を残した。リーグ第14節・tonan前橋戦でヒーローとなったのは、FW宮川瑞希だった。


厚木はやぶさFCから完全移籍で加入してわずか1週間で迎えた、前節COEDO KAWAGOE F.C戦では鮮烈な2アシストでデビューを飾り、この日は渋谷に加入してからの初ゴールを記録。この短期間で自らの存在価値を証明した。


渋谷は立ち上がりから右サイドを起点に攻撃を仕掛ける。この日のMVPとなった大越寛人が狭いポケットを突いてチャンスを量産し、守備ではプレスバックで奮闘。小関陽星は得意のカットインから仕掛け、積極的にゴールに迫った。今日の得点はこの右サイドから生まれるのではないかと思わせるような展開だった。


そして迎えた前半46分に試合が動く。吉永昇偉が大きく逆サイドへ展開し、宮川が受ける。後方から駆け上がってきた坪川に一度預け相手にクリアされたが、それでも宮川はこぼれ球を逃さず左足を振り抜き、ゴール右隅を射抜いた。


この先制点の場面を宮川はこう振り返った。「前半はこっしー(大越)や陽星の右サイドが有効的に使えていたけど、相手も守備範囲が広い印象だった。真ん中に入ってドリブルを仕掛けても相手がいるという感じで。でもつっちー(土田直輝)とか(植松)亮、昇偉のところにボールがよく収まっていたので、僕が広がってそこにボールがくればいいかなという感じだった」


一方、その右サイドから展開した吉永は、「つっちー(土田)が試合でフリックしてくれることが多いので、僕は信じて裏に抜けて顔を上げた。その時に、最初つぼくん(坪川潤之)が奥から走ってるのが見えて、その手前に瑞希くんもいたので、中に蹴るよりもマイナスに蹴れば何かなるかなと思ったら良い具合にいった。我ながら良いところが見えた」とはにかんだ。


試合終盤は相手の猛攻を受ける展開となった。植松や途中出場の水野智大が前線からのプレスやボール奪取で食い止めたものの、複数得点を奪えていれば終盤も余裕を持って戦えていただろう。


この点について宮川も「本当にそうだと思う」と即答。「今日も2点目、3点目が取れるシーンがあった」と悔しさをにじませる。吉永もまた「『自分が攻撃の起点にならないと』と思ってしまい、あまりゴール前にいけなかった」と苦渋の思いを吐露した。


後半10分にはCKからの好機があった。キッカーの宮川が精度の高いボールを供給したところを吉永が打点の高いヘディングで合わせたが、惜しくも左へ外れ、追加点には至らなかった。


吉永は第8節・厚木戦以来ゴールから遠ざかっており、今季はいまだ1得点。あと一歩で結果が出ない現状には本人も歯痒さを感じている。


「コーナーキックは毎試合のように自分が触っているので、あれを決めるだけでチームの助けにはなったはず。練習からもっと決めないといけないなと改めて思ったし、次のEDO戦は決めるところで決めないと難しい試合になるので、もっと責任を持ってやらないといけない」と悔しさを噛み締めつつも、次節への決意を語った。


攻撃陣の躍動と守備陣の奮闘で戦い抜いた渋谷は、1-0で下し5連勝。昇格圏内の2位を死守した。


昇格争い最大の天王山。宿敵EDOを叩き、逆転優勝への望みをつなげ


そして明日は待ち望まれた大一番、第15節・EDO ALL UNITED戦。「因縁」と形容するに相応しい両者の歩みは言うまでもない。東京都リーグ時代からしのぎを削り、一昨年のリーグ開幕戦、昨年のリーグ最終節では渋谷が苦杯を舐めた。関東リーグ昇格を懸けた昇格戦では渋谷が歓喜を味わったが、今季前期の対戦では0-1で敗戦。直近5試合の対戦成績は2勝3敗と、何としてでも倒したい相手であることには変わりない。


一方でEDOは、ここまで11勝2分1敗で勝ち点35。2位の渋谷との勝ち点差は7に広がっている。今節で渋谷が勝利すれば勝ち点差は4に縮まり、残り4試合の結果次第では逆転優勝の可能性も残されている。だが、敗れればその時点でEDOの優勝が決まる、まさに運命を左右する90分だ。


互いに5連勝と波に乗る状況で迎える一戦に向け、宮川は「1位の結果を意識するのは当然ある。でも今渋谷はそれ以上に良い流れできているので、このままやっていれば絶対に渋谷が順位を超えられると思う。絶対に1位のEDOを叩いて、僕たちが上にいけるように良い準備をしていきたい」と熱く意気込む。


積み重なった借りを返す時が来た。首位決戦を制し、渋谷が関東1部昇格へ大きく前進できるか。選手だけではなく、クラブを支えるすべての人々と共に築いてきた一体感を力に変えて。


いざ、頂上決戦へ。



PLAYER'S COMMENTS - 試合前 選手コメント -


40 土田直輝 / MF


ーー前節は1-0の勝利と、5連勝中で波に乗れているが、いまのチームの立ち位置をどう捉えているか


良い流れで後期が始まって負けていないというところはチームとしてポジティブな要因であるものの、隙を見せたら一瞬で崩れてしまうので、その中でも隙なくやれていると思います。


ーー隙がないというのは、どのような部分が影響しているのか


厳しい状況でも、守る時間帯というか、我慢する時間帯をチームの中で共有できているところが無失点につながっていると思います。ボールを持てる時間があるものの、相手に握られる時間がある中で、そこでいかに崩れない試合を進められるかが鍵になると思います。


ーーチャンスが多い中で、決めきれないのは要因というのは


回数は増えているので、シュートを打つ選手ではなくて、出し手の質ももっとこだわればより確率が上がっていくのではないかと思います。


ーー明日はEDO ALL UNITED戦。今季一の大一番に向けての意気込みを


あっち(EDO)が勝ったら優勝、渋谷が勝ったらまだまだ優勝の可能性があるシチュエーションで、僕自身もチームとしても絶対に勝たなくてはいけない試合です。でもそんなに気負いせずにいつも通りできれば間違いなくこのチームは力があると思います。明日は何を考えずに勝つということだけ意識して試合を進めていきたいです。




20 岩沼俊介 / DF


ーー後期に入ってから無失点で抑えられている試合が多いが、その要因は


前期は失点が多かったので、今はしっかり失点をせずに自分たちのリズムで前後半進められているかなと、後ろから見ていて思います。


後ろの選手がゼロで抑えているのはもちろんあるんですけど、前の選手もしっかりプレッシャーにいってくれたりとか、コースを限定して良いところにボールを蹴らせなかったりしてくれているので、後ろも連動しているので少なくなっているかなと思います。


ーー個人としては今季で4年目だが、一番の伸びしろはどこだと感じているか


渋谷に来たときは環境に慣れるところがスタートだったので、そこはどこへ行っても慣れました。試合の中でも、みんなと連携しながら守備も攻撃も個人としてできていたり、コミュニケーションも取れているのは年々感じています。


ーー明日はEDO ALL UNITED戦。勝利のためにキーとなるポイントはどこだと思うか


前回は負けたんですけど、雨でグラウンドがぐしゃぐしゃな状態でしたが、今回は晴れると思いますし、自分たちの思っているサッカーができると思います。そういったときにどちらが自分たちのサッカーを出せるかで、今の勢い的にも自分たちがゲームコントロールできると思うので、あとは後ろが失点を抑えられれば勝てるのではないかと思います。


ーー明日の試合の意気込みを


去年もリーグ最終節で負けているので、今年は勝ちたいのと、ここで負ければ目の前で相手の優勝が決まってしまうので、自分たちが逆転優勝できるようにしっかり準備していきたいです。



BOSS'S COMMENTS - 試合前 監督コメント -


増嶋竜也 監督


ーー前節は1-0で勝利。試合後はかなり嬉しそうだったが、率直にどのように振り返っているか


アウェイでグラウンドが遠い、移動もあるというところで難しい条件でしたが、その中でも勝ちきれたのは選手としても自信になりましたし、僕自身もたくましく見えたし嬉しかったので、これは思いっきり喜ぼうよっていう話をしました。


ーーチャンスが多い中で1-0という結果はどう受け止めているか


相手も必死に守っていましたし、グラウンド状況がうまくいってなかったので、フィーリングだったり攻め方がいつも以上に難しい条件だったかなと思います。その中でも、自分たちのペースでコントロールできていたのかなという印象です。


ーー明日は今季の大一番であるEDO ALL UNITED戦。意気込みを


明日はこの先の3試合をどういうものにするかという試合だと思うので、選手全員も意識していると思いますし、勝って優勝する可能性を残して残り3試合勝つために、良いピッチコンディションでどちらが強いのかを見せたいです。


意地と意地のぶつかり合いといいますか、去年の(関東昇格戦の)決勝のような白熱した試合をできればいいなと思います。


GAME REVIEW - 試合記録 -


前期での雨天での対戦とは異なり、厳しい残暑と西日が照りつけるピッチで迎えた第15節・EDO ALL UNITED戦。首位争いの命運を握る大一番は、敗れればその時点でEDOのリーグ優勝が決まる、これ以上ないほどの緊張感に包まれていた。


渋谷は前節で負傷した宮坂拓海に代わり、左サイドバックに坪川潤之を起用。ベンチには13節ぶりに渡邉千真が復帰した。


試合開始早々、EDOはいきなりロングボールを裏へと送り込み、これを積田景介が冷静にキャッチ。勢いを示す立ち上がりとなった。対する渋谷は、左サイドの宮川瑞希が果敢にドリブルで仕掛け、流れを引き寄せようとする。さらに坪川が球際で強さを見せ、右サイドでは小関陽星が持ち前のドリブルで相手を揺さぶり、互いに譲らぬ攻防が続いた。



14分には本田憲弥が相手に寄せられながらもボールを収め、小関へとつなぐ。そのままドリブルで持ち込み、ミドルシュートを放ったが、これは相手GKにキャッチされる。さらにその後のカウンターでは、右サイドで小関と植松亮が連動し、最後は土田直輝がフィニッシュまで持ち込むなど先制点を狙いにいく。対するEDOもCBから対角までロングフィードを駆使し、ゴール前まで迫る場面を作る。



19分、渋谷が両サイドから厚みのある攻撃を展開。本田が右サイドからクロスを送ると、ファーサイドで待つ宮川がスライディングで合わせようとしたが、わずかに合わない。


23分には相手のカウンターからの攻撃を浴びせられるも、事なきを得る。だが、その後は相手のビルドアップからの攻撃を許しボールを握られる展開が続く。31分には相手の左サイドのクロスから中央で合わせられ、ヒヤリとするシーンも。さらに球際でも激しさを増す相手は、33分にミドルシュートを打つなど、勢いが止まらない。


渋谷も負けじとビルドアップからチャンスを狙う。鈴木友也が中央から前線へボールを送り、左サイドの宮川がカットインからクロスを送るが、中には合わず。41分には、小関がドリブル突破からクロスを上げ、坪川がヘディングで合わせるも、GKの正面を突いた。さらに45分、宮川のCKから再び坪川が頭で合わせるも、これもGKに止められ、決定機をモノにできない。



そして47分、相手CBのロングボールから右サイド深くまで侵入を許すと、マイナスの折り返しから左へ展開される。最後はクロスを押し込まれ、痛恨の先制点を許してしまった。


前半終了間際の失点で、渋谷は1点のビハインドを背負って折り返す。


後半が始まり、早々に相手がシュートを放ち、CKを獲得。ニアへのショートボールは大越寛人がクリアし、ピンチを凌ぐ。そのまま渋谷は素早くカウンターに転じ、小関がドリブルで突破を図るなど、果敢に攻撃を仕掛ける。


51分には左サイドを抜け出した土田のクロスに植松が頭で合わせるも、惜しくもゴール左に外れる。追加点を狙う相手も数的有利を生かしてシュートまで持ち込み、シンプルな攻撃で渋谷を脅かす。


53分にはルーズボールを収めた植松が宮川へ展開。左サイドに開いた坪川がクロスを上げるとCKを獲得。小関のボールは一度はクリアされるが、再びCKを獲得。しかし、相手の守備陣の集中を崩しきれず、渋谷はなかなかこじ開けきれない。


だが、渋谷も反撃に出る。右サイドの大越と小関のコンビから同点を狙う。そして60分、ついに好機が訪れた。植松がボールを収め、小関が受けてドリブルで中央突破。右サイドのポケットに走り込んだ土田のボールを植松が巧みにフリックし、ゴール前の吉永昇偉を経由して、最後は宮川がゴール右隅に突き刺し同点弾。宮川は前節に引き続き、2試合連続ゴールで、スタンドは大きく沸いた。



その後は吉永に変わって政森宗治が投入され、逆転を狙いにいく布陣へ。66分には小関が思い切りの良いシュートを打ち、さらに大越のコンビネーションで右サイドを切り裂く。宮川も自ら攻撃を仕掛けるだけではなく、プレスバックで相手に自由を与えない。



日が沈み、爽やかな風が吹き抜けるピッチでは、両者が勝ち越し点を懸けた白熱した攻防が繰り広げられる。


79分、渋谷は小関に代えて水野智大、宮川に代えて河波櫻士を投入。両サイドを替えて、打開を図る。


迎えた80分、渋谷の左サイドでのスローインから、植松が裏へ抜け出した政森へパス。鋭くシュートを放つも、わずか右へ外れる。


渋谷の攻撃のリズムを掴む一方で、相手もカウンターで応戦。だが、植松が豊富な運動量で攻防し、積田も追いついたセーブで凌ぎ、得点を許さない。


後半40分に近づき、試合はさらにヒートアップ。土田が執念のボールキープで相手の攻撃を防ぎ、鈴木も体を張ってクリア。しかし直後の抗議でイエローカードをもらってしまう。


だが87分、中央の位置で本田憲弥がFKを獲得。キッカーの河波櫻士が左足で直接狙った一撃は、惜しくも相手GKの正面を突く。直後には相手が右サイドを突破してくるが、渋谷守備陣が集中を切らさず食い止めた。


するとその流れから坪川が落ち着いて左サイドの政森へロングボールを供給。数的不利の状況にもかかわらず、政森はペナルティエリア外から右足を一閃。強烈なシュートはゴール右隅に突き刺さり、逆転ゴール。第5節以来となるエースの一撃。待ち望まれたゴールが決まった瞬間、会場のボルテージは最高潮に達した。



アディショナルタイムは7分。90+2分、植松亮がミドルシュートを放つも枠を捉えられない。それでも渋谷は最後まで追加点を狙い、攻撃の手を緩めなかった。


90+5分には相手が左サイドから鋭いカットイン。強烈なシュートを放たれるが、積田景介が正面でキャッチしチームを救う。終了の笛が鳴らないなか、水野智大を起点に右サイドで攻撃を仕掛け、最後は相手のカウンターを全員で止め切ったその瞬間、試合終了のホイッスル。


渋谷が2-1で逆転勝利。エース政森の一撃を決勝点とし、首位EDOの優勝決定を阻止した。まさに天王山を制した渋谷。昇格への望みをつなぐ、価値ある一勝となった。



次節は1週間後、小さな森の家フィールドにて、第16節・エスペランサSC戦。今回の逆転勝利で首位・EDOとの勝ち点差は4に縮まった。迷う余地はない。残り3試合全勝し、リーグ優勝を目指すのみだ。



GAME HIGHLIGHTS - 試合ハイライト -



GAME PREVIEW - 試合前情報 -

運命の頂上決戦


有言実行の一撃、新戦力が加入後初ゴール


「今日の試合は『絶対、俺が点を取る』と決めていた」


その言葉どおりの結果を残した。リーグ第14節・tonan前橋戦でヒーローとなったのは、FW宮川瑞希だった。


厚木はやぶさFCから完全移籍で加入してわずか1週間で迎えた、前節COEDO KAWAGOE F.C戦では鮮烈な2アシストでデビューを飾り、この日は渋谷に加入してからの初ゴールを記録。この短期間で自らの存在価値を証明した。


渋谷は立ち上がりから右サイドを起点に攻撃を仕掛ける。この日のMVPとなった大越寛人が狭いポケットを突いてチャンスを量産し、守備ではプレスバックで奮闘。小関陽星は得意のカットインから仕掛け、積極的にゴールに迫った。今日の得点はこの右サイドから生まれるのではないかと思わせるような展開だった。


そして迎えた前半46分に試合が動く。吉永昇偉が大きく逆サイドへ展開し、宮川が受ける。後方から駆け上がってきた坪川に一度預け相手にクリアされたが、それでも宮川はこぼれ球を逃さず左足を振り抜き、ゴール右隅を射抜いた。


この先制点の場面を宮川はこう振り返った。「前半はこっしー(大越)や陽星の右サイドが有効的に使えていたけど、相手も守備範囲が広い印象だった。真ん中に入ってドリブルを仕掛けても相手がいるという感じで。でもつっちー(土田直輝)とか(植松)亮、昇偉のところにボールがよく収まっていたので、僕が広がってそこにボールがくればいいかなという感じだった」


一方、その右サイドから展開した吉永は、「つっちー(土田)が試合でフリックしてくれることが多いので、僕は信じて裏に抜けて顔を上げた。その時に、最初つぼくん(坪川潤之)が奥から走ってるのが見えて、その手前に瑞希くんもいたので、中に蹴るよりもマイナスに蹴れば何かなるかなと思ったら良い具合にいった。我ながら良いところが見えた」とはにかんだ。


試合終盤は相手の猛攻を受ける展開となった。植松や途中出場の水野智大が前線からのプレスやボール奪取で食い止めたものの、複数得点を奪えていれば終盤も余裕を持って戦えていただろう。


この点について宮川も「本当にそうだと思う」と即答。「今日も2点目、3点目が取れるシーンがあった」と悔しさをにじませる。吉永もまた「『自分が攻撃の起点にならないと』と思ってしまい、あまりゴール前にいけなかった」と苦渋の思いを吐露した。


後半10分にはCKからの好機があった。キッカーの宮川が精度の高いボールを供給したところを吉永が打点の高いヘディングで合わせたが、惜しくも左へ外れ、追加点には至らなかった。


吉永は第8節・厚木戦以来ゴールから遠ざかっており、今季はいまだ1得点。あと一歩で結果が出ない現状には本人も歯痒さを感じている。


「コーナーキックは毎試合のように自分が触っているので、あれを決めるだけでチームの助けにはなったはず。練習からもっと決めないといけないなと改めて思ったし、次のEDO戦は決めるところで決めないと難しい試合になるので、もっと責任を持ってやらないといけない」と悔しさを噛み締めつつも、次節への決意を語った。


攻撃陣の躍動と守備陣の奮闘で戦い抜いた渋谷は、1-0で下し5連勝。昇格圏内の2位を死守した。


昇格争い最大の天王山。宿敵EDOを叩き、逆転優勝への望みをつなげ


そして明日は待ち望まれた大一番、第15節・EDO ALL UNITED戦。「因縁」と形容するに相応しい両者の歩みは言うまでもない。東京都リーグ時代からしのぎを削り、一昨年のリーグ開幕戦、昨年のリーグ最終節では渋谷が苦杯を舐めた。関東リーグ昇格を懸けた昇格戦では渋谷が歓喜を味わったが、今季前期の対戦では0-1で敗戦。直近5試合の対戦成績は2勝3敗と、何としてでも倒したい相手であることには変わりない。


一方でEDOは、ここまで11勝2分1敗で勝ち点35。2位の渋谷との勝ち点差は7に広がっている。今節で渋谷が勝利すれば勝ち点差は4に縮まり、残り4試合の結果次第では逆転優勝の可能性も残されている。だが、敗れればその時点でEDOの優勝が決まる、まさに運命を左右する90分だ。


互いに5連勝と波に乗る状況で迎える一戦に向け、宮川は「1位の結果を意識するのは当然ある。でも今渋谷はそれ以上に良い流れできているので、このままやっていれば絶対に渋谷が順位を超えられると思う。絶対に1位のEDOを叩いて、僕たちが上にいけるように良い準備をしていきたい」と熱く意気込む。


積み重なった借りを返す時が来た。首位決戦を制し、渋谷が関東1部昇格へ大きく前進できるか。選手だけではなく、クラブを支えるすべての人々と共に築いてきた一体感を力に変えて。


いざ、頂上決戦へ。



PLAYER'S COMMENTS - 試合前 選手コメント -


40 土田直輝 / MF


ーー前節は1-0の勝利と、5連勝中で波に乗れているが、いまのチームの立ち位置をどう捉えているか


良い流れで後期が始まって負けていないというところはチームとしてポジティブな要因であるものの、隙を見せたら一瞬で崩れてしまうので、その中でも隙なくやれていると思います。


ーー隙がないというのは、どのような部分が影響しているのか


厳しい状況でも、守る時間帯というか、我慢する時間帯をチームの中で共有できているところが無失点につながっていると思います。ボールを持てる時間があるものの、相手に握られる時間がある中で、そこでいかに崩れない試合を進められるかが鍵になると思います。


ーーチャンスが多い中で、決めきれないのは要因というのは


回数は増えているので、シュートを打つ選手ではなくて、出し手の質ももっとこだわればより確率が上がっていくのではないかと思います。


ーー明日はEDO ALL UNITED戦。今季一の大一番に向けての意気込みを


あっち(EDO)が勝ったら優勝、渋谷が勝ったらまだまだ優勝の可能性があるシチュエーションで、僕自身もチームとしても絶対に勝たなくてはいけない試合です。でもそんなに気負いせずにいつも通りできれば間違いなくこのチームは力があると思います。明日は何を考えずに勝つということだけ意識して試合を進めていきたいです。




20 岩沼俊介 / DF


ーー後期に入ってから無失点で抑えられている試合が多いが、その要因は


前期は失点が多かったので、今はしっかり失点をせずに自分たちのリズムで前後半進められているかなと、後ろから見ていて思います。


後ろの選手がゼロで抑えているのはもちろんあるんですけど、前の選手もしっかりプレッシャーにいってくれたりとか、コースを限定して良いところにボールを蹴らせなかったりしてくれているので、後ろも連動しているので少なくなっているかなと思います。


ーー個人としては今季で4年目だが、一番の伸びしろはどこだと感じているか


渋谷に来たときは環境に慣れるところがスタートだったので、そこはどこへ行っても慣れました。試合の中でも、みんなと連携しながら守備も攻撃も個人としてできていたり、コミュニケーションも取れているのは年々感じています。


ーー明日はEDO ALL UNITED戦。勝利のためにキーとなるポイントはどこだと思うか


前回は負けたんですけど、雨でグラウンドがぐしゃぐしゃな状態でしたが、今回は晴れると思いますし、自分たちの思っているサッカーができると思います。そういったときにどちらが自分たちのサッカーを出せるかで、今の勢い的にも自分たちがゲームコントロールできると思うので、あとは後ろが失点を抑えられれば勝てるのではないかと思います。


ーー明日の試合の意気込みを


去年もリーグ最終節で負けているので、今年は勝ちたいのと、ここで負ければ目の前で相手の優勝が決まってしまうので、自分たちが逆転優勝できるようにしっかり準備していきたいです。



BOSS'S COMMENTS - 試合前 監督コメント -


増嶋竜也 監督


ーー前節は1-0で勝利。試合後はかなり嬉しそうだったが、率直にどのように振り返っているか


アウェイでグラウンドが遠い、移動もあるというところで難しい条件でしたが、その中でも勝ちきれたのは選手としても自信になりましたし、僕自身もたくましく見えたし嬉しかったので、これは思いっきり喜ぼうよっていう話をしました。


ーーチャンスが多い中で1-0という結果はどう受け止めているか


相手も必死に守っていましたし、グラウンド状況がうまくいってなかったので、フィーリングだったり攻め方がいつも以上に難しい条件だったかなと思います。その中でも、自分たちのペースでコントロールできていたのかなという印象です。


ーー明日は今季の大一番であるEDO ALL UNITED戦。意気込みを


明日はこの先の3試合をどういうものにするかという試合だと思うので、選手全員も意識していると思いますし、勝って優勝する可能性を残して残り3試合勝つために、良いピッチコンディションでどちらが強いのかを見せたいです。


意地と意地のぶつかり合いといいますか、去年の(関東昇格戦の)決勝のような白熱した試合をできればいいなと思います。


GAME REVIEW - 試合記録 -


前期での雨天での対戦とは異なり、厳しい残暑と西日が照りつけるピッチで迎えた第15節・EDO ALL UNITED戦。首位争いの命運を握る大一番は、敗れればその時点でEDOのリーグ優勝が決まる、これ以上ないほどの緊張感に包まれていた。


渋谷は前節で負傷した宮坂拓海に代わり、左サイドバックに坪川潤之を起用。ベンチには13節ぶりに渡邉千真が復帰した。


試合開始早々、EDOはいきなりロングボールを裏へと送り込み、これを積田景介が冷静にキャッチ。勢いを示す立ち上がりとなった。対する渋谷は、左サイドの宮川瑞希が果敢にドリブルで仕掛け、流れを引き寄せようとする。さらに坪川が球際で強さを見せ、右サイドでは小関陽星が持ち前のドリブルで相手を揺さぶり、互いに譲らぬ攻防が続いた。



14分には本田憲弥が相手に寄せられながらもボールを収め、小関へとつなぐ。そのままドリブルで持ち込み、ミドルシュートを放ったが、これは相手GKにキャッチされる。さらにその後のカウンターでは、右サイドで小関と植松亮が連動し、最後は土田直輝がフィニッシュまで持ち込むなど先制点を狙いにいく。対するEDOもCBから対角までロングフィードを駆使し、ゴール前まで迫る場面を作る。



19分、渋谷が両サイドから厚みのある攻撃を展開。本田が右サイドからクロスを送ると、ファーサイドで待つ宮川がスライディングで合わせようとしたが、わずかに合わない。


23分には相手のカウンターからの攻撃を浴びせられるも、事なきを得る。だが、その後は相手のビルドアップからの攻撃を許しボールを握られる展開が続く。31分には相手の左サイドのクロスから中央で合わせられ、ヒヤリとするシーンも。さらに球際でも激しさを増す相手は、33分にミドルシュートを打つなど、勢いが止まらない。


渋谷も負けじとビルドアップからチャンスを狙う。鈴木友也が中央から前線へボールを送り、左サイドの宮川がカットインからクロスを送るが、中には合わず。41分には、小関がドリブル突破からクロスを上げ、坪川がヘディングで合わせるも、GKの正面を突いた。さらに45分、宮川のCKから再び坪川が頭で合わせるも、これもGKに止められ、決定機をモノにできない。



そして47分、相手CBのロングボールから右サイド深くまで侵入を許すと、マイナスの折り返しから左へ展開される。最後はクロスを押し込まれ、痛恨の先制点を許してしまった。


前半終了間際の失点で、渋谷は1点のビハインドを背負って折り返す。


後半が始まり、早々に相手がシュートを放ち、CKを獲得。ニアへのショートボールは大越寛人がクリアし、ピンチを凌ぐ。そのまま渋谷は素早くカウンターに転じ、小関がドリブルで突破を図るなど、果敢に攻撃を仕掛ける。


51分には左サイドを抜け出した土田のクロスに植松が頭で合わせるも、惜しくもゴール左に外れる。追加点を狙う相手も数的有利を生かしてシュートまで持ち込み、シンプルな攻撃で渋谷を脅かす。


53分にはルーズボールを収めた植松が宮川へ展開。左サイドに開いた坪川がクロスを上げるとCKを獲得。小関のボールは一度はクリアされるが、再びCKを獲得。しかし、相手の守備陣の集中を崩しきれず、渋谷はなかなかこじ開けきれない。


だが、渋谷も反撃に出る。右サイドの大越と小関のコンビから同点を狙う。そして60分、ついに好機が訪れた。植松がボールを収め、小関が受けてドリブルで中央突破。右サイドのポケットに走り込んだ土田のボールを植松が巧みにフリックし、ゴール前の吉永昇偉を経由して、最後は宮川がゴール右隅に突き刺し同点弾。宮川は前節に引き続き、2試合連続ゴールで、スタンドは大きく沸いた。



その後は吉永に変わって政森宗治が投入され、逆転を狙いにいく布陣へ。66分には小関が思い切りの良いシュートを打ち、さらに大越のコンビネーションで右サイドを切り裂く。宮川も自ら攻撃を仕掛けるだけではなく、プレスバックで相手に自由を与えない。



日が沈み、爽やかな風が吹き抜けるピッチでは、両者が勝ち越し点を懸けた白熱した攻防が繰り広げられる。


79分、渋谷は小関に代えて水野智大、宮川に代えて河波櫻士を投入。両サイドを替えて、打開を図る。


迎えた80分、渋谷の左サイドでのスローインから、植松が裏へ抜け出した政森へパス。鋭くシュートを放つも、わずか右へ外れる。


渋谷の攻撃のリズムを掴む一方で、相手もカウンターで応戦。だが、植松が豊富な運動量で攻防し、積田も追いついたセーブで凌ぎ、得点を許さない。


後半40分に近づき、試合はさらにヒートアップ。土田が執念のボールキープで相手の攻撃を防ぎ、鈴木も体を張ってクリア。しかし直後の抗議でイエローカードをもらってしまう。


だが87分、中央の位置で本田憲弥がFKを獲得。キッカーの河波櫻士が左足で直接狙った一撃は、惜しくも相手GKの正面を突く。直後には相手が右サイドを突破してくるが、渋谷守備陣が集中を切らさず食い止めた。


するとその流れから坪川が落ち着いて左サイドの政森へロングボールを供給。数的不利の状況にもかかわらず、政森はペナルティエリア外から右足を一閃。強烈なシュートはゴール右隅に突き刺さり、逆転ゴール。第5節以来となるエースの一撃。待ち望まれたゴールが決まった瞬間、会場のボルテージは最高潮に達した。



アディショナルタイムは7分。90+2分、植松亮がミドルシュートを放つも枠を捉えられない。それでも渋谷は最後まで追加点を狙い、攻撃の手を緩めなかった。


90+5分には相手が左サイドから鋭いカットイン。強烈なシュートを放たれるが、積田景介が正面でキャッチしチームを救う。終了の笛が鳴らないなか、水野智大を起点に右サイドで攻撃を仕掛け、最後は相手のカウンターを全員で止め切ったその瞬間、試合終了のホイッスル。


渋谷が2-1で逆転勝利。エース政森の一撃を決勝点とし、首位EDOの優勝決定を阻止した。まさに天王山を制した渋谷。昇格への望みをつなぐ、価値ある一勝となった。



次節は1週間後、小さな森の家フィールドにて、第16節・エスペランサSC戦。今回の逆転勝利で首位・EDOとの勝ち点差は4に縮まった。迷う余地はない。残り3試合全勝し、リーグ優勝を目指すのみだ。



GAME HIGHLIGHTS - 試合ハイライト -



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