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KICK OFF | 

18:00

スポーツ日大アスレティックパーク稲城

SHIBUYA CITY FC

日本大学N.

2
0

2026シーズン 関東サッカーリーグ1部

2026年8月16日

GAME RESULT

ゴール

13

min

MIZUKI MIYAGAWA

​

​

​

ゴール

56

min

RYO UEMATSU

​

​

​

選手交代

77

min

SHOI YOSHINAGA

MIZUKI MIYAGAWA

IN

OFF

選手交代

77

min

KENYA HONDA

HIKARU ISHIGAMI

IN

OFF

選手交代

88

min

GENYA HANDA

NAOKI TSUCHIDA

IN

OFF

​STARTING XI

FW

YUTAKA ITO

99

MIZUKI MIYAGAWA

10

MF

MAYAHKA CHUI HIROMU

24

NAOKI TSUCHIDA

40

HIKARU ISHIGAMI

66

RYO UEMATSU

8

DF

YUYA FUJIMOTO

55

TOMOYA SUZUKI

12

ASAHI YAMADE

5

SHUSEI YAMAUCHI

30

GK

KEISUKE TSUMITA

17

GAME REPORT

SCFC ZINE


4バック移行で掴んだ2連勝。勝利の流れをつなぎ、昇格へ突き進む7連戦へ


夏本番だというのに、今年はどこか湿気の抜けない天候が続いている。灼熱と呼ぶにはいささか物足りないそんな夏空の下、渋谷は一足先にリーグ戦を再開する。台風の影響により延期となっていた第8節、日本大学N.との一戦だ。


ここから最終節までは怒涛の7連戦となる過密日程だが、その緊張感を払拭してくれるほどチームの勢いは好調だ。4バックへのシステム変更が功を奏し、直近のエリース戦、東京23戦を今季初の連勝で飾った。中断を挟んでもなお、その流れを途切れさせずに走り続けられるか。目標は言わずもがな「JFL昇格」。新たな連勝街道を歩み出せるか、勝利の機運は高まるばかりだ。


試合勘を落とさぬよう、先週末には関東2部リーグ所属の某チームとトレーニングマッチ(45分×3本)を実施。その中でとりわけ可能性を感じさせたのは、6月半ばにJ1・FC町田ゼルビアから育成型期限付き加入したMF真也加チュイ大夢だ。


第10節・東京ユナイテッド戦で右肩を負傷して以来、初めての実践形式となったこの一戦。ブランクを感じさせないキレのある動きで1本目の30分過ぎからピッチに立つと、100分以上に及ぶプレータイムをこなした。「そんなにネガティブじゃなくて、『結構走れるな』と辛さはなかった。90分(出場)は覚悟していたので、それよりは少し長かった」と、持ち前の運動量には自信をのぞかせる。



主戦場は「相手にとって一番脅威になる」と自負するシャドー、あるいはボランチ。中盤でボールを引き出して攻撃のリズムを作っては、相手の間で受けるポジショニングも秀逸で、狭いスペースでも臆せずボールを収める姿が目を引く。加入当初は連携面でまだまだフィットしきれないシーンが目立っていたが、この2ヶ月間は「いろんなポゼッションで相手を見ながら」トレーニングを積み、ボール保持能力を着実に高めていった。


「調子のいい時はとにかく自分がドリブルで剥がせたり、チャンスを作れる。どこからでもシュートを狙うことは意識しています。逆にあまり良くない時は、味方を使いながらゴールに迫ることを重視するプレーを選択して、ワンタッチではたいたり、自分がクロスに入っていけるようにしています」


自分の長所を生かすのはさることながら、味方をも生かす視野の広さも魅力的だ。20歳という年齢にはそぐわない適応力と判断力は、チームにとって心強い存在である。多彩な武器を併せ持つが、それでもなお「自分の技術で奪い取る瞬間」が何よりの至高。「自分一人で取った感」が如実に表れる、得意の左足での強烈なミドルシュートは、これまで結果に結びついていないが、その一撃が突き刺さるのも時間の問題だろう。



さらに2本目は右サイドハーフで起用されており、選択肢の広がりを感じさせた。


「1対1の場面を作らないようにうまくポジショニングを取ることは意識してました。もし1対1になっても、味方のこしくん(大越)など追い越してくれる人がいるので、2対1をうまく作って剥がすようにしていました」


「(右SHは)できなくはないけれど、まだそんなに経験がない」と多少の不安要素は口にしつつも、「どこでもできるのが自分のいいところ。ボランチもやって、これからいろんなポジションにチャレンジしていきたい」と、前線でのユーティリティ性で貢献する意欲を見せる。


直近2試合は先述の怪我で出場機会を掴めておらず、もどかしさを噛み締める日々が続いた。加入後初先発でプレーした東邦チタニウム戦、東京ユナイテッド戦はいずれも連敗を喫し、皮肉にも怪我で離脱していた期間にチームは連勝を掴んだ。たかが数週間、されど数週間だが、負けん気の強い20歳の心をざわつかせるには十分すぎる時間だった。


「やっぱり自分が勝たせるのが一番。勝つのはチーム的にはいいことだけれど、個人的には悔しかったし、『何してんだろうな』という思いもあった」



今週11日には、記念すべき20歳の誕生日を迎えた真也加。節目の年に迎える復帰後初の公式戦の相手は、日本大学サッカー部を母体とする社会人チームである日本大学N.だ。2023年度までは「FC N.」として東京都リーグを主戦場としていたが、着実にステップアップを重ね、2025シーズンより関東1部の舞台に立つ。


現在は2勝2分7敗の9位に沈み、得失点差は-10と苦戦が続く。直近2試合を見ても、流通経済大学ドラゴンズ戦こそ2-1で振り切ったものの、続くホームの南葛SC戦では0-3の完敗。昇格候補との力量差には苦しみながらも、大学生年代らしい機動力を武器に食らいつく姿勢は崩していない。


純粋な勝算だけでいえばこちらに分があるが、相手特有の勢いについて「バチバチです」と表現した真也加。


「一対一の勝負では絶対に負けられないし、この試合で結果を出して違いを見せたい」


Jリーグ屈指の実力を誇るクラブから、このカテゴリーに武者修行へやってきた以上、ただピッチに立つだけでは意味がない。ボールを持ったときのその技術で、ゴールへ向かう迫力で、そして何より試合を動かす結果で。「格の違い」を示す90分にしてみせる。



若き才能が戦列に戻り、渋谷にはさらなる追い風となる。見上げれば、首位との距離は程遠い。その差を一足飛びに埋める術などないからこそ、目の前の90分を勝ち切り、勝点3を積み上げていく。その先にしか、逆転の道は拓けない。


現状はいくらでも変えられる。渋谷の巻き返しが、再び始まる。


取材・文 :西元 舞

写真   :福冨 倖希

編集   :畑間 直英


GAME REPORT


連日の雨模様が続くなか、リーグ中断期間を挟んで迎えた関東サッカーリーグ第8節(延期分)。2連勝で5位まで順位を上げた渋谷は、9位の日本大学N.と対戦した。


最終節まで続く7連戦の初戦、三原監督は前節から先発を3名変更。累積警告による出場停止が明けた石上をボランチに戻し、両ウイングには真也加と宮川を配置。3連勝を懸けた一戦に臨んだ。



試合前まで降り続いていた雨が上がり、渋谷ボールでキックオフ。立ち上がりから主導権を握ったのは日大だった。開始2分、ロングスローからシュートまで持ち込む。ここはGK積田が落ち着いて対応し、早々のピンチを凌いだ。


その後も日大は、上背があるFWを起点にアグレッシブなプレスをかけ、渋谷の最終ラインの裏を執拗に狙う。中盤でのセカンドボールの回収に後出を踏んだ渋谷は10分、ボールを奪われミドルシュートを浴びるなど、押し込まれる時間が続いた。


やや分の悪い展開かと思われた13分、ここで渋谷が一発仕留める。自陣から石上が送ったロングフィードに相手DFがクリアミス。これを逃さなかった宮川が左足でゴール右隅に迷わず振り抜いた。背番号10の待望の今季初ゴール。ドリブルで運ぶ選択肢もあったが「多分ボールが滑っていたので、(自分のマークについていた)相手が思ったよりも遠かった。シュートには自信があるので打って、狙いどおり」と、劣勢だった流れをドリブラーの一撃が変えた。



先制を許した日大も反撃に転じる。27分には渋谷のパスミスを突いて右サイドから仕掛けてシュート。その2分後にも藤本がボールを奪われ縦突破を許すが、積田による立て続けのセーブで失点を防ぐ。続く右CKからの攻撃でも、またもや守護神が危機的状況を阻止した。日大が狙い続けた渋谷の左サイドについて積田は、「フジ(藤本)とか(宮川)瑞希がちゃんと対応していたと思うし、(クロスを)あげられたとしてもうちには(山内)舟征と(鈴木)友也の2CBがすごく硬い。そこを越えても(山出)旭がカバーしてくれている」と、守備陣への信頼を寄せた。


30分が経過し、細かいパスミスが続き立て直しを図りたい渋谷。40分には植松へのファウルで得たFKのチャンスでは、石上が柔やかな軌道のボールをゴール前へ。そこに山出がタイミングよく頭で合わせネットを揺らすが、ゴール前で鈴木が相手を押してしまいファウルの判定に。惜しくも追加点とはならなかった。


敵陣深くまで侵入しては、サイドに散らしクロスを送り込んでくる日大の攻撃に対し、渋谷は山出の狭いスペースでの卓越した足元の技術で前進を図る。44分には植松が中盤でボールを刈り取ると、そのパスを受けた伊藤が持ち上がり、植松、宮川と立て続けにシュートを狙うが、日大のブロックに阻まれる。1点リードを保ったまま、渋谷は前半を折り返す。


迎えた後半、渋谷は開始3分で右CKを獲得。この日もチャンスを演出したキッカーの藤本とファーサイドの鈴木のコンビで中へ折り返し、こぼれ球を一度戻してから真也加がミドルシュート。55分には右サイドで真也加と山出のパス交換から、山出のクロスにニアで合わせた石上のヘディングがゴールへ吸い込まれるかと思われたが、わずかにポストに阻まれた。


それでも渋谷は、ほどなくして次のゴールを挙げる。56分に相手陣内でボールを奪うと、受けた真也加がすぐさま右サイドへ展開。山出が空いたスペースを大きく持ち上がり、グラウンダー気味のクロスを供給する。ゴール前に飛び込んでいた伊藤は合わせきれなかったが、ファーサイドへ駆け上がっていた植松が押し込み、追加点を奪った。背番号8は「(自分が)何かをしたかというよりは、チームメイトを信じて走ったらそこまでつないでくれた。本当にチームで取った2試合連続ゴール」と、仲間への賛辞を送った。



2点のビハインドを負った日大はやや熱くなりすぎたのか、ベンチから「冷静に!」という声が飛ぶ場面も。続けざまのロングスローの流れから左サイドを崩されヘディングで迫られるも、ここは守護神が難なくキャッチしてしのいだ。


77分、渋谷が最初のカードを切り、宮川に代えて吉永、石上に代えて本田を投入。日大もハーフタイムでの交代に続いてもう1枚のカードを切る。


79分には渋谷の左サイド深くから、日大がじわじわとスローインで押し込んでくる。立て続けのCKを積田がパンチングで弾くと、そのクリアボールから再びクロスが入るがここも防ぐ。こぼれ球をダイレクトで狙われた場面では土田の体に当たってクロスバーに助けられ、最後のダメ押しシュートも枠を大きく外れていった。


この日何本目になるだろうか、積田の好セーブが幾度となく続いた。3試合連続の安定感については、「トレーニングで普段やっている手の出し方や倒れ方、話したらキリがないがそういった細かいところが今日は出たのかなと思う」と手応えを口にし、「それをもっと(リーグ序盤から)コンスタントに出していかないとダメ」と慢心しない姿勢を見せた。


88分には土田に代えて半田を投入。前線では植松が最後まで猛然とプレッシングをかけ続け、後半の給水後には三原監督から「(伊藤)雄教走れるぞ、ここから!」との激励が飛び、植松・伊藤の2トップがさらにギアを上げる。オープンな展開となった90+4分には、渋谷が左CKから吉永のヘディングでダメ押しを狙うも、相手キーパーの好セーブに阻まれる。直後のCKのクリアボールからのカウンターを山内が体を張って食い止めると、そのまま終了のホイッスルが鳴り響く。大学生チームの勢いを最後まで封じ込めた渋谷が、クリーンシートで3連勝を飾った。



偶然かもしれないが、今節の2点目を記録した植松、そのアシストをした山出をはじめ、前節から続いてクラブ在籍年数の長い古参メンバーが得点に絡んでいる(前節得点者は鈴木、植松、政森、山出)。今季で在籍5年目を迎えた植松は、ここまでのチームの様相についてこう語る。


「去年もそうだったけれど、古参メンバーの思いはやっぱり強い。本当は崖っぷちになる前からやらなきゃいけないし、引っ張るという意味での言葉というものはもしかしたら上でやってきた選手の方が響くことはあるかもしれない。でもピッチ内で示す引っ張り方はどのカテゴリーにいたとかは関係ないし、今できることを古参はひたむきにやっているだけ。それに対して新加入メンバーも本当に文句を言うことなく、誰かがやっているからやるとかではなく、古参と新加入が融合してお互いが高め合ってる関係ができてるのが今結果になっている。


だからこそ、気持ちこもったゴールは綺麗ではないかもしれないけど、やっぱり今のチームには必要。結果が出てないときにああいう勢いで取ったゴールを1本、その1本だけかもしれなくても、そこから勝つことでチームが波に乗れる。みんな仕事しながらでもピッチ内で結果が出るということを古参は示しているし、新加入はそれに対してリスペクトを持って高め合うために全力で今ぶつかっている。サッカーと生活を含むSHIBUYA CITYらしさが今出てることは感じる」



次節は1週間後の23日(日)、AGFフィールドにて行われる第13節・流通経済大学ドラゴンズ龍ケ崎戦。今節で勝ち点3を得ても、首位との差はいまだ大きい。それでも、いま残されている選択肢は目の前の一戦に全てを注ぐこと。背番号8は、ここからの戦いに向けて言葉に力を込めた。


「もしかしたらあと数試合で決まってしまうかもしれないけれど、やっぱり見てる人やクラブの人も勝利以外はどんな条件でも求めてない。勝つためにその(目の前の)試合だけをやるとしても、やっぱり(楽に)勝てる相手でもカテゴリーではない。だからこそ、日々の練習から誰の気持ちも欠けることなくやり続けることが一番」


一戦一戦をひたむきに戦い抜く姿勢に迷いはない。残された試合に向けて、渋谷の総力が問われる。


取材・文 :西元 舞

写真   :福冨 倖希

編集   :畑間 直英

SCFC ZINE


4バック移行で掴んだ2連勝。勝利の流れをつなぎ、昇格へ突き進む7連戦へ


夏本番だというのに、今年はどこか湿気の抜けない天候が続いている。灼熱と呼ぶにはいささか物足りないそんな夏空の下、渋谷は一足先にリーグ戦を再開する。台風の影響により延期となっていた第8節、日本大学N.との一戦だ。


ここから最終節までは怒涛の7連戦となる過密日程だが、その緊張感を払拭してくれるほどチームの勢いは好調だ。4バックへのシステム変更が功を奏し、直近のエリース戦、東京23戦を今季初の連勝で飾った。中断を挟んでもなお、その流れを途切れさせずに走り続けられるか。目標は言わずもがな「JFL昇格」。新たな連勝街道を歩み出せるか、勝利の機運は高まるばかりだ。


試合勘を落とさぬよう、先週末には関東2部リーグ所属の某チームとトレーニングマッチ(45分×3本)を実施。その中でとりわけ可能性を感じさせたのは、6月半ばにJ1・FC町田ゼルビアから育成型期限付き加入したMF真也加チュイ大夢だ。


第10節・東京ユナイテッド戦で右肩を負傷して以来、初めての実践形式となったこの一戦。ブランクを感じさせないキレのある動きで1本目の30分過ぎからピッチに立つと、100分以上に及ぶプレータイムをこなした。「そんなにネガティブじゃなくて、『結構走れるな』と辛さはなかった。90分(出場)は覚悟していたので、それよりは少し長かった」と、持ち前の運動量には自信をのぞかせる。



主戦場は「相手にとって一番脅威になる」と自負するシャドー、あるいはボランチ。中盤でボールを引き出して攻撃のリズムを作っては、相手の間で受けるポジショニングも秀逸で、狭いスペースでも臆せずボールを収める姿が目を引く。加入当初は連携面でまだまだフィットしきれないシーンが目立っていたが、この2ヶ月間は「いろんなポゼッションで相手を見ながら」トレーニングを積み、ボール保持能力を着実に高めていった。


「調子のいい時はとにかく自分がドリブルで剥がせたり、チャンスを作れる。どこからでもシュートを狙うことは意識しています。逆にあまり良くない時は、味方を使いながらゴールに迫ることを重視するプレーを選択して、ワンタッチではたいたり、自分がクロスに入っていけるようにしています」


自分の長所を生かすのはさることながら、味方をも生かす視野の広さも魅力的だ。20歳という年齢にはそぐわない適応力と判断力は、チームにとって心強い存在である。多彩な武器を併せ持つが、それでもなお「自分の技術で奪い取る瞬間」が何よりの至高。「自分一人で取った感」が如実に表れる、得意の左足での強烈なミドルシュートは、これまで結果に結びついていないが、その一撃が突き刺さるのも時間の問題だろう。



さらに2本目は右サイドハーフで起用されており、選択肢の広がりを感じさせた。


「1対1の場面を作らないようにうまくポジショニングを取ることは意識してました。もし1対1になっても、味方のこしくん(大越)など追い越してくれる人がいるので、2対1をうまく作って剥がすようにしていました」


「(右SHは)できなくはないけれど、まだそんなに経験がない」と多少の不安要素は口にしつつも、「どこでもできるのが自分のいいところ。ボランチもやって、これからいろんなポジションにチャレンジしていきたい」と、前線でのユーティリティ性で貢献する意欲を見せる。


直近2試合は先述の怪我で出場機会を掴めておらず、もどかしさを噛み締める日々が続いた。加入後初先発でプレーした東邦チタニウム戦、東京ユナイテッド戦はいずれも連敗を喫し、皮肉にも怪我で離脱していた期間にチームは連勝を掴んだ。たかが数週間、されど数週間だが、負けん気の強い20歳の心をざわつかせるには十分すぎる時間だった。


「やっぱり自分が勝たせるのが一番。勝つのはチーム的にはいいことだけれど、個人的には悔しかったし、『何してんだろうな』という思いもあった」



今週11日には、記念すべき20歳の誕生日を迎えた真也加。節目の年に迎える復帰後初の公式戦の相手は、日本大学サッカー部を母体とする社会人チームである日本大学N.だ。2023年度までは「FC N.」として東京都リーグを主戦場としていたが、着実にステップアップを重ね、2025シーズンより関東1部の舞台に立つ。


現在は2勝2分7敗の9位に沈み、得失点差は-10と苦戦が続く。直近2試合を見ても、流通経済大学ドラゴンズ戦こそ2-1で振り切ったものの、続くホームの南葛SC戦では0-3の完敗。昇格候補との力量差には苦しみながらも、大学生年代らしい機動力を武器に食らいつく姿勢は崩していない。


純粋な勝算だけでいえばこちらに分があるが、相手特有の勢いについて「バチバチです」と表現した真也加。


「一対一の勝負では絶対に負けられないし、この試合で結果を出して違いを見せたい」


Jリーグ屈指の実力を誇るクラブから、このカテゴリーに武者修行へやってきた以上、ただピッチに立つだけでは意味がない。ボールを持ったときのその技術で、ゴールへ向かう迫力で、そして何より試合を動かす結果で。「格の違い」を示す90分にしてみせる。



若き才能が戦列に戻り、渋谷にはさらなる追い風となる。見上げれば、首位との距離は程遠い。その差を一足飛びに埋める術などないからこそ、目の前の90分を勝ち切り、勝点3を積み上げていく。その先にしか、逆転の道は拓けない。


現状はいくらでも変えられる。渋谷の巻き返しが、再び始まる。


取材・文 :西元 舞

写真   :福冨 倖希

編集   :畑間 直英


GAME REPORT


連日の雨模様が続くなか、リーグ中断期間を挟んで迎えた関東サッカーリーグ第8節(延期分)。2連勝で5位まで順位を上げた渋谷は、9位の日本大学N.と対戦した。


最終節まで続く7連戦の初戦、三原監督は前節から先発を3名変更。累積警告による出場停止が明けた石上をボランチに戻し、両ウイングには真也加と宮川を配置。3連勝を懸けた一戦に臨んだ。



試合前まで降り続いていた雨が上がり、渋谷ボールでキックオフ。立ち上がりから主導権を握ったのは日大だった。開始2分、ロングスローからシュートまで持ち込む。ここはGK積田が落ち着いて対応し、早々のピンチを凌いだ。


その後も日大は、上背があるFWを起点にアグレッシブなプレスをかけ、渋谷の最終ラインの裏を執拗に狙う。中盤でのセカンドボールの回収に後出を踏んだ渋谷は10分、ボールを奪われミドルシュートを浴びるなど、押し込まれる時間が続いた。


やや分の悪い展開かと思われた13分、ここで渋谷が一発仕留める。自陣から石上が送ったロングフィードに相手DFがクリアミス。これを逃さなかった宮川が左足でゴール右隅に迷わず振り抜いた。背番号10の待望の今季初ゴール。ドリブルで運ぶ選択肢もあったが「多分ボールが滑っていたので、(自分のマークについていた)相手が思ったよりも遠かった。シュートには自信があるので打って、狙いどおり」と、劣勢だった流れをドリブラーの一撃が変えた。



先制を許した日大も反撃に転じる。27分には渋谷のパスミスを突いて右サイドから仕掛けてシュート。その2分後にも藤本がボールを奪われ縦突破を許すが、積田による立て続けのセーブで失点を防ぐ。続く右CKからの攻撃でも、またもや守護神が危機的状況を阻止した。日大が狙い続けた渋谷の左サイドについて積田は、「フジ(藤本)とか(宮川)瑞希がちゃんと対応していたと思うし、(クロスを)あげられたとしてもうちには(山内)舟征と(鈴木)友也の2CBがすごく硬い。そこを越えても(山出)旭がカバーしてくれている」と、守備陣への信頼を寄せた。


30分が経過し、細かいパスミスが続き立て直しを図りたい渋谷。40分には植松へのファウルで得たFKのチャンスでは、石上が柔やかな軌道のボールをゴール前へ。そこに山出がタイミングよく頭で合わせネットを揺らすが、ゴール前で鈴木が相手を押してしまいファウルの判定に。惜しくも追加点とはならなかった。


敵陣深くまで侵入しては、サイドに散らしクロスを送り込んでくる日大の攻撃に対し、渋谷は山出の狭いスペースでの卓越した足元の技術で前進を図る。44分には植松が中盤でボールを刈り取ると、そのパスを受けた伊藤が持ち上がり、植松、宮川と立て続けにシュートを狙うが、日大のブロックに阻まれる。1点リードを保ったまま、渋谷は前半を折り返す。


迎えた後半、渋谷は開始3分で右CKを獲得。この日もチャンスを演出したキッカーの藤本とファーサイドの鈴木のコンビで中へ折り返し、こぼれ球を一度戻してから真也加がミドルシュート。55分には右サイドで真也加と山出のパス交換から、山出のクロスにニアで合わせた石上のヘディングがゴールへ吸い込まれるかと思われたが、わずかにポストに阻まれた。


それでも渋谷は、ほどなくして次のゴールを挙げる。56分に相手陣内でボールを奪うと、受けた真也加がすぐさま右サイドへ展開。山出が空いたスペースを大きく持ち上がり、グラウンダー気味のクロスを供給する。ゴール前に飛び込んでいた伊藤は合わせきれなかったが、ファーサイドへ駆け上がっていた植松が押し込み、追加点を奪った。背番号8は「(自分が)何かをしたかというよりは、チームメイトを信じて走ったらそこまでつないでくれた。本当にチームで取った2試合連続ゴール」と、仲間への賛辞を送った。



2点のビハインドを負った日大はやや熱くなりすぎたのか、ベンチから「冷静に!」という声が飛ぶ場面も。続けざまのロングスローの流れから左サイドを崩されヘディングで迫られるも、ここは守護神が難なくキャッチしてしのいだ。


77分、渋谷が最初のカードを切り、宮川に代えて吉永、石上に代えて本田を投入。日大もハーフタイムでの交代に続いてもう1枚のカードを切る。


79分には渋谷の左サイド深くから、日大がじわじわとスローインで押し込んでくる。立て続けのCKを積田がパンチングで弾くと、そのクリアボールから再びクロスが入るがここも防ぐ。こぼれ球をダイレクトで狙われた場面では土田の体に当たってクロスバーに助けられ、最後のダメ押しシュートも枠を大きく外れていった。


この日何本目になるだろうか、積田の好セーブが幾度となく続いた。3試合連続の安定感については、「トレーニングで普段やっている手の出し方や倒れ方、話したらキリがないがそういった細かいところが今日は出たのかなと思う」と手応えを口にし、「それをもっと(リーグ序盤から)コンスタントに出していかないとダメ」と慢心しない姿勢を見せた。


88分には土田に代えて半田を投入。前線では植松が最後まで猛然とプレッシングをかけ続け、後半の給水後には三原監督から「(伊藤)雄教走れるぞ、ここから!」との激励が飛び、植松・伊藤の2トップがさらにギアを上げる。オープンな展開となった90+4分には、渋谷が左CKから吉永のヘディングでダメ押しを狙うも、相手キーパーの好セーブに阻まれる。直後のCKのクリアボールからのカウンターを山内が体を張って食い止めると、そのまま終了のホイッスルが鳴り響く。大学生チームの勢いを最後まで封じ込めた渋谷が、クリーンシートで3連勝を飾った。



偶然かもしれないが、今節の2点目を記録した植松、そのアシストをした山出をはじめ、前節から続いてクラブ在籍年数の長い古参メンバーが得点に絡んでいる(前節得点者は鈴木、植松、政森、山出)。今季で在籍5年目を迎えた植松は、ここまでのチームの様相についてこう語る。


「去年もそうだったけれど、古参メンバーの思いはやっぱり強い。本当は崖っぷちになる前からやらなきゃいけないし、引っ張るという意味での言葉というものはもしかしたら上でやってきた選手の方が響くことはあるかもしれない。でもピッチ内で示す引っ張り方はどのカテゴリーにいたとかは関係ないし、今できることを古参はひたむきにやっているだけ。それに対して新加入メンバーも本当に文句を言うことなく、誰かがやっているからやるとかではなく、古参と新加入が融合してお互いが高め合ってる関係ができてるのが今結果になっている。


だからこそ、気持ちこもったゴールは綺麗ではないかもしれないけど、やっぱり今のチームには必要。結果が出てないときにああいう勢いで取ったゴールを1本、その1本だけかもしれなくても、そこから勝つことでチームが波に乗れる。みんな仕事しながらでもピッチ内で結果が出るということを古参は示しているし、新加入はそれに対してリスペクトを持って高め合うために全力で今ぶつかっている。サッカーと生活を含むSHIBUYA CITYらしさが今出てることは感じる」



次節は1週間後の23日(日)、AGFフィールドにて行われる第13節・流通経済大学ドラゴンズ龍ケ崎戦。今節で勝ち点3を得ても、首位との差はいまだ大きい。それでも、いま残されている選択肢は目の前の一戦に全てを注ぐこと。背番号8は、ここからの戦いに向けて言葉に力を込めた。


「もしかしたらあと数試合で決まってしまうかもしれないけれど、やっぱり見てる人やクラブの人も勝利以外はどんな条件でも求めてない。勝つためにその(目の前の)試合だけをやるとしても、やっぱり(楽に)勝てる相手でもカテゴリーではない。だからこそ、日々の練習から誰の気持ちも欠けることなくやり続けることが一番」


一戦一戦をひたむきに戦い抜く姿勢に迷いはない。残された試合に向けて、渋谷の総力が問われる。


取材・文 :西元 舞

写真   :福冨 倖希

編集   :畑間 直英

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