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KICK OFF | 

14:30

AGFフィールド

SHIBUYA CITY FC

流通経済大学ドラゴンズ龍ケ崎

3
3

2026シーズン 関東サッカーリーグ1部

2026年8月23日

GAME RESULT

失点

31

min

​

​

​

​

ゴール

46

min

MIZUKI MIYAGAWA

​

​

​

選手交代

46

min

YUTAKA ITO

TOKIHARU MASAMORI

IN

OFF

ゴール

48

min

YUTAKA ITO

​

​

​

ゴール

55

min

ASAHI YAMADE

​

​

​

レッドカード

58

min

TOMOYA SUZUKI

​

​

​

選手交代

60

min

YUI SHIKIDA

NAOKI TSUCHIDA

IN

OFF

失点

69

min

​

​

​

​

選手交代

71

min

KENYA HONDA

HIKARU ISHIGAMI

IN

OFF

選手交代

71

min

SHOI YOSHINAGA

MIZUKI MIYAGAWA

IN

OFF

失点

81

min

​

​

​

​

選手交代

82

min

YOSEI OZEKI

MAYAHKA CHUI HIROMU

IN

OFF

​STARTING XI

FW

TOKIHARU MASAMORI

9

RYO UEMATSU

8

MF

MAYAHKA CHUI HIROMU

24

NAOKI TSUCHIDA

40

HIKARU ISHIGAMI

66

MIZUKI MIYAGAWA

10

DF

YUYA FUJIMOTO

55

TOMOYA SUZUKI

12

ASAHI YAMADE

5

SHUSEI YAMAUCHI

30

GK

KEISUKE TSUMITA

17

GAME REPORT

SCFC ZINE


噛み合い始めた新たな渋谷。4連勝を掴み、上位追走へ拍車をかけろ


新加入と既存の融合。この言葉がよく似合う。


サマーブレイクを境に各々が何かを見つめ直したからなのか、はたまたいくつもの要因が絡み合った結果なのか。理由を絞ることはできないが、カテゴリーが上がるにつれて増す既存メンバーの覚悟と新加入選手の思い切りの良さが、ようやく勝利という形で噛み合っていることは確かだ。4バックへの移行後に互いの良さを引き出す場面は増えている。


176cmとDFの中ではさほど大柄ではないが、ピッチに立つ姿はたくましく見える。6月末にJFL所属・ラインメール青森FCより加入した藤本裕也は、「自分が左SBである意味」を既に示しつつある。


エリース豊島戦から3試合連続で先発出場。時を同じくして4バックへ舵を切ったチームは、そこから3連勝を飾った。まるで、その一角が彼のために用意されたのかと思うほどに与えられた役割を難なく全うし、存分に持ち味を発揮している。もっとも、彼が感じているのは最終ラインを構成する守備意識の変化だ。


「シンプルに後ろのミスが少なくなったのと、5枚だったのが4枚になってよりクロスでの守備範囲が求められる中で、みんな人任せにならずにできているので失点する気がしないですね。あとは、トモくん(鈴木)と(山内)舟征は1対1が強いし、ヘディングで負けて後ろ向きで守備しなくてはいけないシーンもない。ツッチー君(土田)や(石上)輝君とかもセカンドボールをしっかりマイボールにして展開してくれるので、二次攻撃をさせないのも大きいかなと。特に(前節の日大のような)ああやってロングボールを蹴ってくる中で、そういうのをやってくれるので助かっています」



左利きの左SBというだけでも希少性は高いが、それ以上に目を引くのがプレーの総合力だ。サイドバックに必要な能力を高い水準で備え、プレースキッカーとしても安定感がある。エリース豊島戦、東京23FC戦でのコーナーキックのチャンスでは、ファーサイドに構える鈴木へピンポイントのボールを供給。「対策されても大丈夫なんじゃないですか」と言ってのけるほど、その左足のキックと仲間への信頼には自信がある。



関東学院時代は2年次にトップチーム入りし、翌年から出場機会を得た。3年次までは現在と同じ左SBを主戦場としていたが、その後はCBや3バックの左へ。


「大学は単純にCBが他にいなかったのと、おそらく監督が左利きのCBを欲しがっていたので。あとは攻撃的なサッカーをやりたがっていたと思うので、そこに自分が置かれたのかなと」


チーム事情に応じながら、最終ラインの複数ポジションで重宝されてきた。その柔軟性を支えているのが、周囲の状況を捉えながらプレーを選択する思考力だ。


「自分が絶対に受けられる位置やプレッシャーを食らわない位置、(味方と)繋がれる位置、2タッチ、ワンタッチでどんどんボールを動かせる位置にはいたいです。自分の前の敵、いわゆる相手のSBとかWBの位置や、どの選手がプレスに来てるのかを見てプレーしています。重心とまではいかないけれど、『少し相手が後ろに下がっているな、下がっているからトモくん(鈴木)運べるな』と思うくらい。 みんなが考えていることは考えていますね」


小関、濱名、宮川、真也加をはじめ、「人とは違うもの」を見せられるアタッカーが揃う渋谷。彼らの個性を生かすなら、できるだけ高い位置までボールを届けたい。前節の日本大学N.戦では相手のプレスに苦しみ、後方から前線へスムーズにボールを運べない時間が続いた。


相手の出方を見極めながら局面を変え、前線へボールを差し込む。一番の売りに挙げる「ビルドアップを危なげなくやること」は、前線のタレントを生かすための仕事でもある。


「『左にボールが行ったら安心だよね』と思わせるくらい安定させたい」



明日は、前期に6得点を奪い快勝した流通経済大学ドラゴンズ龍ケ崎戦。2試合続けて大学生チームとの対戦となるだけに、前節でその勢いやテンポを肌で感じた経験も生きてくるはず。ここまで未勝利の相手に、付け入る隙を与えるつもりは一切ない。


「大学生をノらせたらダメ。いかに相手の心を折るようなプレーや気迫、球際でのシンプルな強さを見せられるか。『やっぱり社会人は違うな』と思わせたい」


くどいようだが、目指すはもちろんJFL昇格。そのために勝利へ貢献しながら、個人として目に見える結果も残したい。「このリーグでアシスト数ランキングトップになる。なったことがないし、基本アシストとかもしないのでそういうのも狙っていけたら」と明言する。



積み重なる勝利が自信を与え、その自信がプレーの迷いを減らしていく。自信は過信と隣り合わせだが、ここから上位へ這い上がろうとする渋谷にはそれくらいの強気があっていい。


進化の過程など、後からいくらでも意味づけできる。勝って、勝って、勝って、さらに上へ。ひたむきに突き進むだけだ。


取材・文 :西元 舞

写真   :福冨 倖希

編集   :畑間 直英


GAME REPORT


幸いにも真夏の日差しを遮る曇り空に恵まれた、関東サッカーリーグ第13節。4位に浮上した渋谷は、AGFフィールドで10位の流通経済大学ドラゴンズ龍ケ崎と対戦した。


上位追走へ向けて、さらに勝点3を積み上げたいこの一戦。前節からのスタメン変更は1人のみで、伊藤雄教に代わって政森宗治が2トップの一角に入った。


試合は流経大のコーナーキックのチャンスから始まったが、序盤から攻勢に出たのは渋谷だった。両ウイングを高い位置で使いながら、相手最終ラインの背後を狙う。


4分、鈴木からボールを受けた宮川が左サイドからクロスを供給し、真也加がシュートを放つ。その後も宮川へボールを集めて左サイドからの崩しを図り、右ウイングの真也加も自らドリブルで運び変化をつける。13分には鈴木のロングフィードに反応した真也加が相手の裏を取り、巧みなトラップでボールを収めて振り抜くもこれは相手ブロックに阻まれる。


12分、渋谷はこの日最初のコーナーキックを獲得。藤本のボールにフリーの山出が豪快にヘディングで合わせるが、わずかにゴール右へ逸れる。


その後も相手の裏に走る宮川や最前線の政森を狙う攻撃を継続。22分には相手キーパーからのボールを土田が回収すると、絶妙なタイミングで宮川へパスを送り、ニアサイドへシュートを放つもこれは左へ外れた。




飲水タイムを挟むと流れは一転、流経大にボールを回される時間が増え、中盤から徐々にリズムをつかまれる。31分には、積田からのパスを受けた石上が前を向いて縦につけようとしたところを奪われると、相手につながれ浮き球でシュートを打たれる。一度は積田が好セーブで防ぐも、こぼれ球を押し込まれ先制を許してしまった。


前半のうちになんとか同点に追いつきたい渋谷は、失点後も落ち着いてボールを保持しながら突破口を探る。39分には植松が前線から鋭いプレッシングをかけて相手のパスミスを誘発すると、これを拾った宮川がドリブルで持ち運びループシュート。これはキーパーの正面を突いたが、左サイドを中心にゴールへ迫る場面を作り続けた。


その狙いが実ったのは前半アディショナルタイム。45+1分、真也加とのパス交換から宮川がカットインし、「絶対振り抜くと決めていた」という右足を迷わず振り抜く。狙い澄ました一撃はゴール右隅へ吸い込まれ、2試合連続ゴールで試合を振り出しに戻した。


「『(真也加)チュイ、出してくれ』と思っていたし、良い壁になってくれたのですごく連係が良かった。あとはカットインした時に斜めをずっと狙っていたので、そこは連係を取れた」(宮川)と振り返るように、前半から何度も見せていた2人の関係性が同点弾につながった。


アシストを記録した真也加も「自分が右から左に動いた中で、(宮川)瑞希くんがうまく走ってきたところにボールを置いただけだけれど、アシストにはなった」と手応えを口にする。序盤から互いの立ち位置を見ながら攻撃を組み立ててきた両ウイングの連係で同点に持ち込み、前半を折り返した。



ハーフタイムに政森に代えて伊藤を投入し、後半がキックオフ。開始20秒、鈴木がボールを奪うと前線の伊藤へロングフィードを送り、伊藤が果敢に抜け出す好スタートを見せた。この勢いは早々に実を結ぶ。48分、クリアボールを植松が巧みなトラップで収めて石上へ。石上がワンタッチで裏に抜け出した真也加へつなぎ、そのスルーパスに反応した伊藤が相手キーパーとの1対1を制してゴール中央へ流し込み、逆転に成功する。



さらに追加点を狙う渋谷は53分、ロングカウンターから植松がドリブルで運んで時間を作る。前に人数が揃ったところでゴール前に侵入していた宮川がファーサイドへシュートを放つも、相手キーパーのスーパーセーブに阻まれる。


だが、この猛攻はすぐに報われる。55分、コーナーキックの流れから一度クリアされたボールを拾い直し、相手コーナーフラッグ付近から石上が山なりのクロスを供給。これに山出が打点の高いヘディングで合わせて押し込み、3点目を奪って突き放した。



しかし直後、思わぬアクシデントが起きる。相手のリスタートによるセカンドボールを狙った鈴木が、相手との競り合いの中で倒れた際に足で蹴ってしまいレッドカードを提示され退場。渋谷は10人での戦いを強いられることになった。その3分後、土田に代えて敷田を投入し、鈴木のポジションに配置。システムを4−4−1に変え、真也加がボランチに入る形をとった。


数的不利となり渋谷は落ち着いて対応したかったが、69分には相手のビルドアップからダイレクトで縦パスを通され、シュートまで持ち込まれる。これは積田が間一髪で弾くも、こぼれ球をファーサイドで待っていた相手に押し込まれ、1点差に詰め寄られてしまう。


悪い流れを変えるべく渋谷はすぐさま2枚替えに出る。石上に代えて本田、宮川に代えて吉永を投入する。


75分には真也加がスローインの流れから強烈な左足のミドルシュートを放つ。相手の攻撃に対しては山内がスピードでカバーし、伊藤もプレスをかけて相手の攻撃を制限する。79分、藤本のキックを伊藤が収めチャンスを演出。後方から落ち着いてボールを回す渋谷は本田が中へ抜け出し、吉永へ浮き球を供給。スライディングであと一歩まで迫ったが、惜しくも相手キーパーに先に防がれる。



そしてその2分後、再び相手のスローインからファーサイドへクロスを送られると、折り返しを混戦の中で押し込まれ、同点に追いつかれてしまう。


不穏な空気を一刻も早く変えるべく、渋谷は真也加に代えて小関を投入。相手も2枚替えに出て、互いに1点を譲らない緊迫した展開が続く。


85分には相手のカウンターを浴び、縦突破から鋭いシュートを打たれるも、ここはゴールポストに救われた。そこから得た相手のコーナーキックではヘディングで押し込まれかける場面もあったが、積田のセーブで耐え凌いだ。


アディショナルタイムは6分。望みをつなぐ中、立て続けに相手の二次攻撃からクロスを浴び、こぼれ球を中央から狙われる展開が続く。積田が相手のクロスをパンチングで弾き返すなど、押し寄せる攻撃に対応し続けた。45+5分には相手の右コーナーキックのクリアボールをダイレクトで狙われるが、またもや積田がスーパーセーブで上に弾き出しゴールを許さない。



ラストプレーに近づき、積田のゴールキックから伊藤が抜け出し、最後は小関がシュートを放つ。さらに左コーナーキックのチャンスでは小関のボールに敷田がヘディングで合わせるも右へ逸れ、その後相手がボールを回し始めたところで試合終了。後半早々に2点のリードを奪いながら、退場をきっかけに流れを変えられ、連勝は「3」でストップ。苦しい痛み分けとなり、試合後伊藤は「ほぼほぼ負けゲームに近い」と悔しさをにじませた。


次節は29日(土)、同じくAGFフィールドにて行われる第14節・南葛SC戦。2位につける強敵とのリベンジマッチとなる。


今節2点のリードを守り切れなかった現実を、次へどうつなげるか。2アシストを記録した真也加は「ここでうまく現実を知れたというか、今のままじゃダメだと知れたのは悪いことではない」と受け止める。その上で、「ポジティブに捉えれば、次の試合で勝てばまだ上にどんどんいけると思う。勉強になる部分は多かったし、次は絶対勝たないといけないと、チームとして一体感は持てる」と再起を誓った。


対する南葛は同日開催された一戦において、無敗だった首位・東邦チタニウムを破っている。流経大戦で突きつけられた課題を受け止めた上で、勢いに乗る2位を相手にどんな戦いを見せるか。連勝が止まった次節で、渋谷の修正力が問われる。



取材・文 :西元 舞

写真   :福冨 倖希

編集   :畑間 直英



SCFC ZINE


噛み合い始めた新たな渋谷。4連勝を掴み、上位追走へ拍車をかけろ


新加入と既存の融合。この言葉がよく似合う。


サマーブレイクを境に各々が何かを見つめ直したからなのか、はたまたいくつもの要因が絡み合った結果なのか。理由を絞ることはできないが、カテゴリーが上がるにつれて増す既存メンバーの覚悟と新加入選手の思い切りの良さが、ようやく勝利という形で噛み合っていることは確かだ。4バックへの移行後に互いの良さを引き出す場面は増えている。


176cmとDFの中ではさほど大柄ではないが、ピッチに立つ姿はたくましく見える。6月末にJFL所属・ラインメール青森FCより加入した藤本裕也は、「自分が左SBである意味」を既に示しつつある。


エリース豊島戦から3試合連続で先発出場。時を同じくして4バックへ舵を切ったチームは、そこから3連勝を飾った。まるで、その一角が彼のために用意されたのかと思うほどに与えられた役割を難なく全うし、存分に持ち味を発揮している。もっとも、彼が感じているのは最終ラインを構成する守備意識の変化だ。


「シンプルに後ろのミスが少なくなったのと、5枚だったのが4枚になってよりクロスでの守備範囲が求められる中で、みんな人任せにならずにできているので失点する気がしないですね。あとは、トモくん(鈴木)と(山内)舟征は1対1が強いし、ヘディングで負けて後ろ向きで守備しなくてはいけないシーンもない。ツッチー君(土田)や(石上)輝君とかもセカンドボールをしっかりマイボールにして展開してくれるので、二次攻撃をさせないのも大きいかなと。特に(前節の日大のような)ああやってロングボールを蹴ってくる中で、そういうのをやってくれるので助かっています」



左利きの左SBというだけでも希少性は高いが、それ以上に目を引くのがプレーの総合力だ。サイドバックに必要な能力を高い水準で備え、プレースキッカーとしても安定感がある。エリース豊島戦、東京23FC戦でのコーナーキックのチャンスでは、ファーサイドに構える鈴木へピンポイントのボールを供給。「対策されても大丈夫なんじゃないですか」と言ってのけるほど、その左足のキックと仲間への信頼には自信がある。



関東学院時代は2年次にトップチーム入りし、翌年から出場機会を得た。3年次までは現在と同じ左SBを主戦場としていたが、その後はCBや3バックの左へ。


「大学は単純にCBが他にいなかったのと、おそらく監督が左利きのCBを欲しがっていたので。あとは攻撃的なサッカーをやりたがっていたと思うので、そこに自分が置かれたのかなと」


チーム事情に応じながら、最終ラインの複数ポジションで重宝されてきた。その柔軟性を支えているのが、周囲の状況を捉えながらプレーを選択する思考力だ。


「自分が絶対に受けられる位置やプレッシャーを食らわない位置、(味方と)繋がれる位置、2タッチ、ワンタッチでどんどんボールを動かせる位置にはいたいです。自分の前の敵、いわゆる相手のSBとかWBの位置や、どの選手がプレスに来てるのかを見てプレーしています。重心とまではいかないけれど、『少し相手が後ろに下がっているな、下がっているからトモくん(鈴木)運べるな』と思うくらい。 みんなが考えていることは考えていますね」


小関、濱名、宮川、真也加をはじめ、「人とは違うもの」を見せられるアタッカーが揃う渋谷。彼らの個性を生かすなら、できるだけ高い位置までボールを届けたい。前節の日本大学N.戦では相手のプレスに苦しみ、後方から前線へスムーズにボールを運べない時間が続いた。


相手の出方を見極めながら局面を変え、前線へボールを差し込む。一番の売りに挙げる「ビルドアップを危なげなくやること」は、前線のタレントを生かすための仕事でもある。


「『左にボールが行ったら安心だよね』と思わせるくらい安定させたい」



明日は、前期に6得点を奪い快勝した流通経済大学ドラゴンズ龍ケ崎戦。2試合続けて大学生チームとの対戦となるだけに、前節でその勢いやテンポを肌で感じた経験も生きてくるはず。ここまで未勝利の相手に、付け入る隙を与えるつもりは一切ない。


「大学生をノらせたらダメ。いかに相手の心を折るようなプレーや気迫、球際でのシンプルな強さを見せられるか。『やっぱり社会人は違うな』と思わせたい」


くどいようだが、目指すはもちろんJFL昇格。そのために勝利へ貢献しながら、個人として目に見える結果も残したい。「このリーグでアシスト数ランキングトップになる。なったことがないし、基本アシストとかもしないのでそういうのも狙っていけたら」と明言する。



積み重なる勝利が自信を与え、その自信がプレーの迷いを減らしていく。自信は過信と隣り合わせだが、ここから上位へ這い上がろうとする渋谷にはそれくらいの強気があっていい。


進化の過程など、後からいくらでも意味づけできる。勝って、勝って、勝って、さらに上へ。ひたむきに突き進むだけだ。


取材・文 :西元 舞

写真   :福冨 倖希

編集   :畑間 直英


GAME REPORT


幸いにも真夏の日差しを遮る曇り空に恵まれた、関東サッカーリーグ第13節。4位に浮上した渋谷は、AGFフィールドで10位の流通経済大学ドラゴンズ龍ケ崎と対戦した。


上位追走へ向けて、さらに勝点3を積み上げたいこの一戦。前節からのスタメン変更は1人のみで、伊藤雄教に代わって政森宗治が2トップの一角に入った。


試合は流経大のコーナーキックのチャンスから始まったが、序盤から攻勢に出たのは渋谷だった。両ウイングを高い位置で使いながら、相手最終ラインの背後を狙う。


4分、鈴木からボールを受けた宮川が左サイドからクロスを供給し、真也加がシュートを放つ。その後も宮川へボールを集めて左サイドからの崩しを図り、右ウイングの真也加も自らドリブルで運び変化をつける。13分には鈴木のロングフィードに反応した真也加が相手の裏を取り、巧みなトラップでボールを収めて振り抜くもこれは相手ブロックに阻まれる。


12分、渋谷はこの日最初のコーナーキックを獲得。藤本のボールにフリーの山出が豪快にヘディングで合わせるが、わずかにゴール右へ逸れる。


その後も相手の裏に走る宮川や最前線の政森を狙う攻撃を継続。22分には相手キーパーからのボールを土田が回収すると、絶妙なタイミングで宮川へパスを送り、ニアサイドへシュートを放つもこれは左へ外れた。




飲水タイムを挟むと流れは一転、流経大にボールを回される時間が増え、中盤から徐々にリズムをつかまれる。31分には、積田からのパスを受けた石上が前を向いて縦につけようとしたところを奪われると、相手につながれ浮き球でシュートを打たれる。一度は積田が好セーブで防ぐも、こぼれ球を押し込まれ先制を許してしまった。


前半のうちになんとか同点に追いつきたい渋谷は、失点後も落ち着いてボールを保持しながら突破口を探る。39分には植松が前線から鋭いプレッシングをかけて相手のパスミスを誘発すると、これを拾った宮川がドリブルで持ち運びループシュート。これはキーパーの正面を突いたが、左サイドを中心にゴールへ迫る場面を作り続けた。


その狙いが実ったのは前半アディショナルタイム。45+1分、真也加とのパス交換から宮川がカットインし、「絶対振り抜くと決めていた」という右足を迷わず振り抜く。狙い澄ました一撃はゴール右隅へ吸い込まれ、2試合連続ゴールで試合を振り出しに戻した。


「『(真也加)チュイ、出してくれ』と思っていたし、良い壁になってくれたのですごく連係が良かった。あとはカットインした時に斜めをずっと狙っていたので、そこは連係を取れた」(宮川)と振り返るように、前半から何度も見せていた2人の関係性が同点弾につながった。


アシストを記録した真也加も「自分が右から左に動いた中で、(宮川)瑞希くんがうまく走ってきたところにボールを置いただけだけれど、アシストにはなった」と手応えを口にする。序盤から互いの立ち位置を見ながら攻撃を組み立ててきた両ウイングの連係で同点に持ち込み、前半を折り返した。



ハーフタイムに政森に代えて伊藤を投入し、後半がキックオフ。開始20秒、鈴木がボールを奪うと前線の伊藤へロングフィードを送り、伊藤が果敢に抜け出す好スタートを見せた。この勢いは早々に実を結ぶ。48分、クリアボールを植松が巧みなトラップで収めて石上へ。石上がワンタッチで裏に抜け出した真也加へつなぎ、そのスルーパスに反応した伊藤が相手キーパーとの1対1を制してゴール中央へ流し込み、逆転に成功する。



さらに追加点を狙う渋谷は53分、ロングカウンターから植松がドリブルで運んで時間を作る。前に人数が揃ったところでゴール前に侵入していた宮川がファーサイドへシュートを放つも、相手キーパーのスーパーセーブに阻まれる。


だが、この猛攻はすぐに報われる。55分、コーナーキックの流れから一度クリアされたボールを拾い直し、相手コーナーフラッグ付近から石上が山なりのクロスを供給。これに山出が打点の高いヘディングで合わせて押し込み、3点目を奪って突き放した。



しかし直後、思わぬアクシデントが起きる。相手のリスタートによるセカンドボールを狙った鈴木が、相手との競り合いの中で倒れた際に足で蹴ってしまいレッドカードを提示され退場。渋谷は10人での戦いを強いられることになった。その3分後、土田に代えて敷田を投入し、鈴木のポジションに配置。システムを4−4−1に変え、真也加がボランチに入る形をとった。


数的不利となり渋谷は落ち着いて対応したかったが、69分には相手のビルドアップからダイレクトで縦パスを通され、シュートまで持ち込まれる。これは積田が間一髪で弾くも、こぼれ球をファーサイドで待っていた相手に押し込まれ、1点差に詰め寄られてしまう。


悪い流れを変えるべく渋谷はすぐさま2枚替えに出る。石上に代えて本田、宮川に代えて吉永を投入する。


75分には真也加がスローインの流れから強烈な左足のミドルシュートを放つ。相手の攻撃に対しては山内がスピードでカバーし、伊藤もプレスをかけて相手の攻撃を制限する。79分、藤本のキックを伊藤が収めチャンスを演出。後方から落ち着いてボールを回す渋谷は本田が中へ抜け出し、吉永へ浮き球を供給。スライディングであと一歩まで迫ったが、惜しくも相手キーパーに先に防がれる。



そしてその2分後、再び相手のスローインからファーサイドへクロスを送られると、折り返しを混戦の中で押し込まれ、同点に追いつかれてしまう。


不穏な空気を一刻も早く変えるべく、渋谷は真也加に代えて小関を投入。相手も2枚替えに出て、互いに1点を譲らない緊迫した展開が続く。


85分には相手のカウンターを浴び、縦突破から鋭いシュートを打たれるも、ここはゴールポストに救われた。そこから得た相手のコーナーキックではヘディングで押し込まれかける場面もあったが、積田のセーブで耐え凌いだ。


アディショナルタイムは6分。望みをつなぐ中、立て続けに相手の二次攻撃からクロスを浴び、こぼれ球を中央から狙われる展開が続く。積田が相手のクロスをパンチングで弾き返すなど、押し寄せる攻撃に対応し続けた。45+5分には相手の右コーナーキックのクリアボールをダイレクトで狙われるが、またもや積田がスーパーセーブで上に弾き出しゴールを許さない。



ラストプレーに近づき、積田のゴールキックから伊藤が抜け出し、最後は小関がシュートを放つ。さらに左コーナーキックのチャンスでは小関のボールに敷田がヘディングで合わせるも右へ逸れ、その後相手がボールを回し始めたところで試合終了。後半早々に2点のリードを奪いながら、退場をきっかけに流れを変えられ、連勝は「3」でストップ。苦しい痛み分けとなり、試合後伊藤は「ほぼほぼ負けゲームに近い」と悔しさをにじませた。


次節は29日(土)、同じくAGFフィールドにて行われる第14節・南葛SC戦。2位につける強敵とのリベンジマッチとなる。


今節2点のリードを守り切れなかった現実を、次へどうつなげるか。2アシストを記録した真也加は「ここでうまく現実を知れたというか、今のままじゃダメだと知れたのは悪いことではない」と受け止める。その上で、「ポジティブに捉えれば、次の試合で勝てばまだ上にどんどんいけると思う。勉強になる部分は多かったし、次は絶対勝たないといけないと、チームとして一体感は持てる」と再起を誓った。


対する南葛は同日開催された一戦において、無敗だった首位・東邦チタニウムを破っている。流経大戦で突きつけられた課題を受け止めた上で、勢いに乗る2位を相手にどんな戦いを見せるか。連勝が止まった次節で、渋谷の修正力が問われる。



取材・文 :西元 舞

写真   :福冨 倖希

編集   :畑間 直英



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