Monthly INSIDE Report - January 2025

2025年2月9日

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年が明け、渋谷区スポーツセンターには選手たちの声が響いていた。

歓喜の昇格から約2ヶ月、チーム全体が始動する1月24日まで例年より長めのオフと自主練期間を経て、昨シーズンからの契約更新選手16名と新加入選手8名を加えた24人がホームグラウンドに集結した。

始動日は、トレーニング前に選手とクラブスタッフ全員が参加しミーティングが実施され、肩書きが変更となった田中裕介”スポーツダイレクター”から、2025シーズンのチーム目標「関東リーグ2部優勝」「全国社会人サッカー選手権大会優勝」が明確に掲げられた。

就任3年目となる増嶋竜也監督からは、自分たちが練習・試合の環境をより良くしていくこと、「サッカー」「仕事」「家族」の3つ全てを大切にしそれぞれを100%で取り組むことの重要性が伝えられた。増嶋監督自身も、このオフに休むことなく、Ｊリーグクラブの監督になるための必須条件であるJFA Proライセンス取得のためにトライアル(Proライセンス講習会に参加するために必要な試験)に参加し、年間20人という狭き門を見事突破した。増嶋監督も、Proライセンス講習会に年間通じて参加しながらクラブを指揮するというチャレンジングなシーズンとなる。

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2024年12月7日、Ｊ2昇格プレーオフのカターレ富山-松本山雅FCが富山県総合運動公園陸上競技場で開催されていた。2-1と松本リードの展開で迎えた後半43分、富山が坪川潤之を投入する。DAZNで解説を担当していた戸田和幸氏(元SHIBUYA CITY FCテクニカルダイレクター)もその意図を自陣の左サイド後方からのキックで試合終盤に最後の圧力をかけるためと語っていた。その言葉に呼応するように、後半アディショナルタイム、坪川の左からのロングキックから富山のＪ2昇格を決める劇的ゴールが生まれることとなった。

その坪川潤之が2025シーズン、SHIBUYA CITY FCに加入した。東洋大学では、土田直輝の1つ上の先輩にあたり初日から選手の前でおどける一面も。プレーでは、前述のキックだけではなく守備にも定評があり、中盤の底、センターバックが主戦場になることが予想される。リーグ開幕に向け、「仲間との容赦ない競争」が始まっている。

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始動日からチームはコンディショニングづくりと戦術の落とし込みに取り組んでいる。そのコンディショニングの部分では、柏レイソルから赤井寛之アスレティックトレーナー兼フィジオセラピストが加わり、高度なレベルでのコンディショニング管理が始まった。さらに昨シーズン限りで現役を引退した三原雅俊氏もコーチとして加わることに。増嶋監督、三原コーチ、赤井トレーナー。柏レイソル時代、増嶋・三原の2人の無茶を赤井トレーナーが色々と聞いていたのだろうなとすぐ想像できるほどスムーズな関係性がすでに築かれている。

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「humble（謙虚が強い好奇心を生み出す）」「ruthless（自分にも仲間にもやる時は容赦なく）」「brothers（結束の中に競争を持ち戦う）」。増嶋監督がチームミーティングで掲げた3つのテーマ。関東2部に昇格し、このカテゴリーで初めてのシーズンを戦い抜くために、選手に求められる姿勢とも言える。チームとして求められる姿勢を日々のトレーニングで示す選手を試合で起用するという増嶋監督の哲学はこれまでと変わらないが、この新たな3つのテーマを選手たちがどのようにピッチ上で表現していくのか、今から楽しみである。ちなみに、この英単語をミーティングで見せられた時に、日本語の意味をパッと答えられた選手は、、、。（ピッチ外での学びの取り組みにも期待したい）

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始動からの1週間、格段にピッチ上のパフォーマンス、コミュニケーションの質は上がっており、練習以外でも練習での動画を切り取り、コミュニケーションアプリを使った1プレー1プレーによる選手同士の意見交換も活発に行われている。早速紅白戦も実施しており、佐藤蒼太と新加入の河波櫻士のスピードスター2人によるマッチアップはかなりの見応えがあった。ランメニューも精力的にこなしており、ここから身体的にはきつい数週間となりそうだが、2月には練習試合も組まれ、本格的なスタメン争いが始まってくる。

ついに動き出した渋谷が、容赦なく強くなるためのプレシーズンを過ごしている。